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2005年8月16日 12:00

Yahoo!中国を傘下に治めたアリババ、人材流出抑制が鍵

8月11日15時過ぎ、Yahoo! 中国の社員が続々と会議室につめかけた。数百人を収容できる大型会議室が、この時ばかりは押し合い圧し合いの大騒動になったという。原因は、わずか1時間前の14時に、アリババ(阿里巴巴)の創始者である馬雲・CEO(最高経営責任者)と Yahoo! の COO(最高執行責任者)である Daniel Rosensweig 氏が、「Yahoo! は、Yahoo! 中国の全ての事業をアリババへ移管する」と発表したためだ。

15時30分、職員が集合する会議室に姿を現した馬・CEO は、Yahoo! 中国の職員を前に、1時間半に及ぶスピーチを行った。会場には、Yahoo! 中国の職員600人のほか、まもなく総裁の座を降りる Yahoo! 中国の周鴻一・総裁の姿もあった。教師出身の馬・CEO は、堂々と情調よく語りかけたという。 Yahoo! 中国を傘下に収めた馬・CEO だが、「私はみなさんをテストしに来たのではない。私がみなさんのテストを受けに来たのです」と、その姿勢は丁重だった。もちろん、今回の訪問はあくまで「予備テスト」に過ぎない。2か月後に事業再編を実行した時が、本当の意味でのテストとなる。最大の科目はさしずめ「職員の流動をいかに防ぐか」ということだろう。

現在の Yahoo! 中国を築いてきた中心人物の1人、周・総裁は、8月31日で CEO の座を離れる。Yahoo! 中国が100人から600人に規模を拡大し、業界トップクラスにまで登りつめることができたのは、周鴻一というリーダーがいたからこそという点は見逃せない。

馬・CEO はスピーチの中で、「Yahoo! 中国の職員がアリババで仕事をし続けてくれるようにすることが、私の重要な任務となる」と語った。「Yahoo! 中国や関係企業の努力がなければ今日の Yahoo! 中国はなかったはずだ。今後も、彼らなくして明日はない」。また、「35%の株式と引き換えに10億ドルの現金を手に入れたが、本当に価値があるのは Yahoo! のブランド力であり、技術であり、600人の社員である」と述べ、職員重視の姿勢を鮮明に打ち出した。

記者会見の会場には、馬・CEO と台湾出身で Yahoo! 創始者の楊致遠(ジェリー・ヤン)氏が一緒に写った写真が飾られていた。今から3年前、馬・CEO は同じ写真を指差し、「これは1997年に万里の長城に登った時に撮ったもの。あの時、私は楊致遠氏と Yahoo! を中国に紹介した」と語った。それから8年。今は楊致遠氏がアリババと馬雲氏を世界に紹介することになった。

1995年に米国で Yahoo! を立ち上げた楊致遠氏は11日、1通の手紙をしたためた。宛先は、「Yahoo! 中国の全職員」。「今日の発表を聞いて、みなさんは自分にどんな影響が出るのか、心配していることでしょう。Yahoo! とアリババは、すぐにみなさんと交流する機会を持ちます。今晩は COO の Rosensweig 氏が、近日中には馬雲・CEO が、今回の戦略提携がみなさん個人にもたらす意義について話をするはずです。解決すべき問題は山ほどありますが、新リーダーはみなさんの状況を理解してくれるはずです」。

「今後みなさんは、Yahoo! のリソースを継続利用できるだけでなく、アリババのメリットを活用することができます。馬・CEO や彼を含む経営者陣が達成した成果については、誰もが認めるところです。今回の提携についても、彼らは必ず成功することを確信しています」。

そして楊致遠氏は、「今の思いを胸に、この先にあるチャンスをものにし、成功者の一員となることを望みます」と結んだ。馬・CEO が Yahoo! 中国の職員を引き留めるためには、資金力だけではうまくいかないだろう。事業再編に踏み切るまでの2か月間、馬・CEO は必死の周・総裁の経営手法についてのテスト勉強をする。

(執筆:サーチナ・齋藤浩一)

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