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苦境に立つ EVD 陣営、ハリウッドプッシュで挽回へ中国が知的財産権を有する次世代 DVD 規格「EVD」推進の中心人物である北京今典集団の張宝全・董事長は9月28日、ハリウッドの映画配給会社8社と交渉を行うために渡米した。家電大手の厦門夏新電子(AMOI)と四川長虹集団(チャンホン)がHD DVD 対応プレーヤーの発売を発表してHD DVD 陣営に加わったことに焦りを感じたためだ。
四川長虹など中国家電大手が新たに陣営入りしたHD DVD 規格は、ハリウッド映画会社数社の支持を得ているが、EVD 陣営は今のところ1社からの支持も得ておらず、苦しい状況にある。 EVD が国家標準に認定されたのは2005年2月。しかし、技術的にも性能的にも不十分との見方が多く、販売の現場サイドでは認定自体を疑問視する声が強くあがるなど、スタートから波乱万丈だった。実際、認定後に苦情が多く寄せられたことから、専門家が対策を練るシンポジウムを開催したほどだ。 そういった EVD の苦境は一向に解消されなかったという背景があるため、長虹らが中国独自の標準に見切りをつけたことに対しては、むしろ自然のこととして受け止められている。長虹集団は、HD DVD 陣営に加わった最大の要因として「ハリウッド映画の支持」を挙げるとともに、「ハリウッド映画のおよそ70%がHD DVD に準拠したソフトで発売されることになる」と予測している。 一方、張・董事長は、HD DVD が採用する著作権管理機能「AACS」(Advanced Access Content System)を、EVD にも採用することで関係機関との合意に達していることをアピール。10月にも採用される見込みであることから、「ハリウッド映画の支持を得る突破口になるのではないか」とみる関係者もいる。 張・董事長はさらに、海外映画60−100作品の版権を購入する計画も立てており、未開拓の海外市場でぜひとも EVD 陣営の渇いた喉を潤したいところ。一方、張・董事長訪米中の中国では、中国が知的財産権を有するデジタル映像コード技術の AVS 標準チームと EVD 標準チームが、共同で統一された映像コードの産業標準を開発する戦略提携を結んだ。 この提携により、AVS 標準は、EVD 標準の音声映像コードである ExAC を採用。チップの設計にあたっては ExAC コードとの互換性を保つと同時に、次世代 EVD チップにも AVS コードのアルゴリズムを採用することで、AVS と ExAC の融合を図る方針だ。 海外メーカーへの特許使用料支払いを一日でも早く切り上げたい中国のメーカーにとって、EVD の動きからは目が離せない状況となっている。日本では影の薄い EVD だが、実は「中国独自の標準」という大きな期待を背負って世界に立ち向かっている。特許料支払大国から特許料徴収大国へ生まれ変わりたい中国の「標準戦略」が今後どうなるのか。EVD はその行方を占うものとして注目だ。 (執筆:サーチナ・齋藤浩一) 関連テーマ
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