BenQ−SIEMENS の目標は「世界シェア10%」台湾通信機器大手の明基電通(BenQ)が独シーメンスの携帯電話事業を買収して設立した新会社「明基移動(BenQ Mobile)」が10月1日に営業を開始。それを受けて10月26日、CEO(最高経営責任者)に就任した Clemens Joos 氏が就任後初めて北京に降り立った。
Clemens 氏は2006年の目標を「赤字を挽回して増収につなげ、BenQ ブランドの携帯電話で世界の市場シェア10%を達成すること」とした。BenQ による買収が決定してから、両社は Focus と Simplify を掲げ、研究開発から販売計画にいたるあらゆる過程の統合を進めてきた。 BenQ が SIEMENS の携帯電話事業を買収すると発表したのは6月7日。BenQ の李焜耀・CEO は「2年以内の黒字化を目指す」と意気込みをみせたが、業界の間では楽観できないとする見方が多い中でのスタートだった。Clemens 氏は、この買収劇に初めから関わっていた人物だ。 新会社の本部はドイツ・ミュンヘンに設置。董事長には BenQ グローバル営業部の Jerry Wang 氏が就任。アジア地域の総指揮にあたるのは BenQ でネットワーク事業群の総経理を務めた陳盛穏氏。 Clemens 氏と共に北京を訪れた中国エリア販売副総経理の姚鴻州氏は記者会見の席上、「BenQ は SIEMENS ブランドを10月1日から18か月間使用する権利を有し、BenQ-SIEMENS ブランドの使用権は5年間」と発言。そのため、今後の中国大陸市場では「BenQ」「SIEMENS」「BenQ-SIEMENS」という3ブランドの製品が流通することになる。 海外企業をM&Aしたことによるブランド戦略という点では、5月に IBM のPC事業部門を買収した聯想(レノボ)集団のケースがある。聯想も期限付きで IBM の「Think」ブランド使用権を獲得しており、短期間で自らのブランドを構築する必要があるという点では BenQ に似ている。2006年に入ると「SIEMENS」ブランドは流通を停止することになっている。 BenQ-Mobile は今後アジアと欧州に2大生産拠点を設ける。欧州では既存の高レベルな技術力を生かし、アジアでは新興市場に重点を置いた製造力をフル活用していく方針だ。 Clemens 氏は、多国籍企業間のM&Aで問題となる「企業風土・企業文化の統合」について「順調に進んでいる」とアピールしている。中国大陸では、第3世代(3G)携帯電話サービスの解禁を前に携帯電話メーカーが水面下の攻防を繰り広げているところだ。欧州企業の文化を取り入れた BenQ がどういう戦略を展開するか。世界に飛び出す中国企業の一例として今後の動きが見逃せない。 (執筆:サーチナ・齋藤浩一) 関連記事 最新トップニュース
|
|