インターネットサービスは広告収益モデルの時代へ「Google の事業ドメインは?」という質問をすると、おそらく大抵の人が「検索エンジンの会社」と答えるのではないだろうか。
しかし、Google は決して「検索エンジンの会社」などではない。その証拠に検索数がいかに増えようとも Google の直接的な収益は増えるわけではない。確かに Google は企業向けに検索システムを有償提供しているが、これも収益に占める割合は極わずかである。だとするならば、実際の収益はどこから生み出されるのか?簡潔にいってしまうと、その多くは広告収入によって生み出されている。 ご存知のように、検索ポータルサイト「Google」の検索結果にはグーグル「アドワーズ」広告が表示される。そして、Google 以外の広告ネットワークといわれる個人サイトを含めた多くのサイトでも、この広告は表示される。Google はこうした広告をユーザがクリックすることで、広告主から収益を得ている。つまり、冒頭の「Google の事業ドメインは?」という質問に対しては、「広告業」と答えるのがもっとも正解に近い答えだといえる。 そうした視点で見ると、Google にとって検索ポータルサービスというのはあくまでも広告を掲載するためのプラットフォームのひとつに過ぎないと見ることもできる。言い方は悪いが、検索エンジンは広告をクリックするユーザを集めるための呼び水に過ぎないといえるのではないだろうか。 しかし、Google はユーザに対して不義理を行っているわけではない。サービスの核となる検索エンジンは常にブラッシュアップされ、精度向上が図られているし、検索キーワードと関連性の低い広告に対しては、ユーザがそのキーワードで検索を行っても、広告が極力表示されないようにする緻密なシステムを作り上げている。 ただし、この検索ポータルサービスによる広告収益モデルにも限界がある。現在も検索数は右肩上がりに増えてはいるが、検索数がある一定数を超えれば必ず飽和状態が起きる。いずれは当然そうなるだろう。そうしたことを前提に Google が出した答えこそ、広告プラットフォームの拡充ではないだろうか。 最近、Google は多くのツールやサービスをリリースしている。11月14日にリリースした無料のアクセス解析ツール「Google Analytics」は世間を騒がせたが、その他にも「Google Earth」や「Picasa」といったツール群、そして「Google パーソナライズド ホームページ」や「Gmail」といったサービスなど、β版や英語版のみ提供しているツールやサービスを含めれば信じられないほどの数になる。しかも、基本的にユーザはそれらすべてを無償で利用できる。こうしたサービスのなかには、現在はまだ広告の掲載が行われていないものも多いが、今後、広告掲載が開始されることは十分想像できることである。 そして、Google はこうしたネット上での広告プラットフォームの拡充に飽き足りず、リアルでの広告配信にも積極的に動いている。現在、アメリカではすでにグーグル「アドワーズ」広告の雑誌や新聞へのテスト配信が始められている。 こうした流れに対し、つい先頃マイクロソフトは広告収益モデルのインターネットサービス「Windows Live」β版のリリースと「Office Live」の開発を発表した。また、日本国内でも有料動画配信サービスが苦戦するなか、つい先日、広告収益モデルによる無料動画配信サービス「GyaO」の視聴登録者数500万人突破が発表され、その直後には同様のサービスをソフトバンクとヤフーが手を組んで開始するとの報道があった。 こうしたことから考えて、今後は不特定多数のユーザに対して利用料を請求するようなインターネットサービスは衰退し、今後は広告収益モデルによるインターネットサービスだけが勝ち残る構造ができあがるのではないかと想像できる。 広告主にとっては選択の幅が広がりうれしいことかもしれないが、一方で広告に携わる者にとっては、成果の出る広告商品、広告媒体は何なのか、選択眼を要求される厳しい時代が到来しつつあるといえる。 (執筆:コンサルティンググループ 市川伸一) 関連記事 最新トップニュース
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