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2005年12月27日 09:30

2005年の中国 IT 業界を賑わせた聯想が激震人事

2005年の中国 IT 業界で最も注目された話題といえば、やはり聯想集団(レノボ)が IBMの PC 事業を買収して新体制を発足させたことであろう。センセーショナルな買収劇が「世界に飛び出す中国企業」として一躍注目を浴びたことは記憶に新しい。

買収後に懸念された顧客流出も一定の範囲内に抑え、市場シェアも堅調な動きをみせた。米 IDC のデータによると、2005年第3四半期(7〜9月)の世界市場における PC 出荷台数ではシェア7.7%を占め、第3位にランクイン。同期の出荷台数は前期比17.1%増の5,280万台。また、中国市場のシェアは前期比0.7ポイント増の34.5%で堂々のトップとなった。

その聯想が12月20日、突如スティーブ・ワード(Steve Ward)氏に替わってデル社の上級副社長および日本/アジア太平洋地域全体の社長であるウィリアム(ビル)・アメリオ(William Amelio)氏を総裁兼 CEO(最高経営責任者)に起用すると発表した。買収後間もない頃、聯想の創業者である柳伝志氏が「(買収後)最も危険なのは幹部層が分裂してしまうこと」とのコメントを発表していただけに、この激震人事は業界でさまざまな憶測を呼んだ。

これについて楊元慶・董事会主席は、CEO の交替は聯想の発展戦略の一環として行なわれたものであることを強調。IBM の PC 事業買収作業が順調に第一段階を完成させたという従来の発表をくり返し、スティーブ氏については「多大な貢献をもたらした」と賞賛した。その上で、「収益性の向上という次の目標に関して討論を重ねた結果、今こそ CEO の交替を行なう時期だとの認識に達し、スティーブ氏を顧問に迎えることを決定した」と述べ、交替が本人を交えて決定された企業戦略であるとした。

そして、「経験豊富なウィリアム氏は聯想の収益性向上という戦略をリードしていくと信じる」と述べ、18年間に及ぶ IBM での実績が(聯想と IBM の)企業文化の融合にプラスにはたらくだろうとの期待を表明。ユーザーに対するサービスが変わることはなく、「収益性の向上、経営効率の向上、世界的ブランドの構築という重点戦略を貫くことに変わりはない」と強調した。

一方、新 CEO に就任したウイリアム氏は、「PC 業界を中心とするこれまでの経験を生かして新しい聯想に貢献したい」とし、就任に関する聯想との交渉が比較的短期間で合意に達したことを紹介。「速やかに聯想の業務や組織を把握し、楊元慶氏を初めとするスタッフとの共同作業を通じて業績を向上させ、より多くの利益を株主に還元したい」と述べた。ウイリアム氏は、2001年3月からデル社の上級副社長および日本/アジア太平洋地域全体の社長として、マレーシア・ペナンと中国・アモイにあるデルの生産およびカスタマー・サービス拠点を含む日本/アジア太平洋地域全体の事業を統括している。

スティーブ氏に対する評価について聞かれた楊元慶・董事会会長は、業務およびスタッフの安定化という第一段階の使命を成功裏に達成した業績を高く評価し、「90点以上をつけたい」と述べた。

この人事異動に対する見方は様々だ。クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券(CSFB)は、「この人事が IBM との提携関係に影響を与えるのではないかと市場が注目している」「特に IBM 製品のアフターサービス面への影響が懸念されている」ことなどを理由に投資判断を「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に引き下げ。目標株価を4.1香港ドルに設定した。また、モルガン・スタンレー証券は「時期的にも人選としても正しい判断であった」と評価し、投資判断を「オーバーウエイト」に据え置いた。

なお、中国の大手ポータルサイトである新浪網(SINA)が一般ユーザーを対象に実施したオンラインアンケートによると(26日10:00現在、回答者約1万人)、スティーブ氏が総裁兼CEOの座を退いた理由については「役割を順調に成し遂げたため」と考えている人が46.35%、「業績不調のため」が34.50%、「なんとも言えない」が19.14%。スティーブ氏の評価については、「普通」が55.61%、「非常に優秀」が36.01%、「悪い」が8.38%となっている。

(執筆:サーチナ・齋藤浩一)

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