中国独自の 3G 規格、焦点は関係当局の介入方法にTD-SCDMA 産業連盟が、情報産業部と国家発展・改革委員会(発改委)の主導で大規模な TD-SCDMA テストネットワークの構築を進めることを明らかにした。「TD-SCDMA 大規模ネットワーク技術応用試験プロジェクト」と名付けられたこのテストは、これまでを大幅に上回る規模で行われ、重点は国産端末の検査におかれるもよう。
TD-SCDMA については、どのキャリアがライセンスを受けるのかをめぐってさまざまな憶測が飛んでいたが、1月に情報産業部が業界標準に認定したことにより、関係者から具体的な内容が聞こえるようになってきた。とくに、TD-SCDMA 産業連盟の関係者による、中国聯通(チャイナユニコム)、中国移動(チャイナモバイル)、中国電信(チャイナテレコム)の3社が今回のテストに参加するという情報には注目だ。システムを提供するのは大唐移動、中興通訊(ZTE)、鼎橋通信で、1万台近い端末がテストに投入されるものとみられる。テスト期間は約半年。 テストネットワークの構築はこれまでも行われてきたが、北京市や上海市など一部の大都市のみを対象としており、規模も小さなものだった。今回のテストは、北京市、上海市、河北省・秦皇島市、保定市、浙江省・紹興市の5都市で行われる。北京市と上海市を除く3都市では設備の構築をゼロから始めることになり、1都市につき通信キャリア2社が基地局を約100か所に設置する。 2006年に入ってから、3G をめぐる動きは活発になっている。チャイナモバイルはアプリケーションとネットワーク技術の研究に重点を置く研究開発(R&D)センターを北京市と広東省に設立すると伝えられたばかりだ。研究開発センターは 3G のサービス開始に向けた取り組みの一環と位置付けられており、技術開発を通信設備企業に頼らざるを得なかった流れを変え、通信キャリアの研究開発力を高めることが狙いだ。 また、携帯電話端末の生産認可を行う発改委は、上海迪比特(Dbtel)、上海達業、北京恒基偉業を新たに携帯電話の生産企業に認定した。とくに、上海迪比特は台北工場を閉鎖して生産業務を上海に移行するなど事業再編に取り組んでいただけに、すでに 3G 戦略が固まっているのではないかといわれている。3社が認定を受けたことで競争が急変することはないだろうが、3G メーカーの争いはスタートからいきなりデッドヒートを迎えることになりそうだ。 TD-SCDMA については、W-CDMA や cdma2000 など他の 3G 規格より性能が劣るという見方が強かったが、関係者は「商用化に向けた今回のテストで、TD-SCDMA が十分に商用可能なレベルにあることを示すことができる」としている。テストには、ひとつの部屋で30台程度の端末が同時に通信できるかどうかという項目も含まれている。 今回のテスト計画の発表を受けて、TD-SCDMA のライセンス発行は早くても7月以降になるという見方がアナリストの間では広まっている。また、焦点はライセンス発行のタイムスケジュールよりも、政府がどのような方法で介入するのかに移っている。計画経済時代のように旧態依然たる「許可」方式なのか、それとも通信キャリアの競争力を高めるような柔軟な産業政策を次々に打ち出そうとしているのか、という具合だ。 世界で幅広く実用されている W-CDMA や cdma2000 に立ち向かうために、関係当局が政府がどのような舵取りを行うのかは要注目だ。 (執筆:サーチナ・齋藤浩一) 関連記事 最新トップニュース
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