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第四回 「ゲーマーが熱中するコミュニティ」ビジネス SNS 成功のポイントとして「コア・ユーザーが熱中する仕組み」が重要であると前コラムで記した。
今回はその具体的な事例として、ゲームユーザーをターゲットにしたコミュニティを紹介したい。
■韓国発、無料のゲーム社交場 「HANGAME」 韓国は、人口の1/3が実名 SNS に参加している世界でも類を見ないコミュニティ大国だが、オンラインゲームの普及においても群を抜いている。その中でも、特にユーザー・コミュニケーション機能が充実しているゲーム系ポータルサイトに HANGAME がある。2000年11月に日本にも上陸しており、Yahoo! Internet Guide が主催する Web of the Year エンターテインメント部門で、2004年、2005年と連続して1位に選出されている。 ハンゲーム 120種類以上の無料ゲームと20000種類以上のアバターを機軸に、サークルやチャット、音楽や占いなどのコンテンツが有機的に配置されている。特にコミュニティ機能は SNS のエッセンスが取り入れられ、ゲームユーザーを熱中させる創意工夫が随所にちりばめられている。日本における累計会員登録件数は1500万件以上、同時接続者数が日ピーク時間帯で平均10万人にいたっている。 ■ゲームの特長 カードゲームや麻雀、パチンコ、ビリヤードなど、シンプルなゲームが多いが、ほとんどは会員同士の対戦型であるのが特長である。ゲームの勝敗は会員のオフィシャル・レコードとなり、成績により 神様・王様・永世名人・名人・達人・上級者・一般人 などの肩書きがつく。描写やロジックがシンプルなゲームをベースにして、対戦や階級化により会員の射幸心を煽る、コストパフォーマンスの良い仕組みといえる。 ■会員間のコミュニケーション 対戦ゲーム中のチャットが出会いのきっかけとなり、ゲーム仲間でサークル(開設数は70万件を超える)が自然に形成される。サークルは参加人数やログイン数、お布施!などにより「サークルパワー」で順位づけされる。上位サークルへはレア・アイテム特典等があり、ここでも集団的な射幸心が刺激される。Mixi などの SNS においては、友人リストを増やしたいという個人の思いが友人紹介のドライバーになっているが、この「サークルパワー」はさらに巧みな口コミ誘発の仕掛けと言える。 ■知識コミュニティ さらに「知識 plus 」という Q&A 掲示板コミュニティがあり、ゲームに関しての情報交換が活発に行われる。 このコミュニティでは質問者も回答者もその内容をユーザーから評価され、結果がポイントとして還元される仕組みになっている。サークルと同様、評価ポイントでないと入手できないレア・アイテムにより、コミュニティは活性化し、雑学王的なコア会員が生まれてくる。 ■最大の収入源、アバター 最も注目すべきはアバター・ビジネスである。ヘアスタイル、メイクアップ、整形、ペット、トップス、アンダー、右手、左手、背景、アクセサリなど多くのレイヤーに分類され、20000種類を超える質の高いアイテムが提供されている。 また権利公認モノのアバターアイテム(ガンダム、日本サッカーなど)はさらに出来栄えが良く人気が高い。 個々のアイテムは100円、200円といった金額だがファッションとしてまとめていくと数千円となってしまう。 「ガチャガチャ」でくじを引いて入手できるような不買品の「レアもの」もあり、会員間では高額で売買されている。 さらに、仲の良い者同士で、「プリショ」と呼ばれるアバタープリクラを撮る事ができる(撮影料とアルバム保存料が必要)など、アバターが軸となり多角的なビジネスが展開されている。 アバターアイテム購入の動機は未経験者には理解しにくいが、一言で言うとアバターがないと恥ずかしく感じる気持ちである。そもそも会員登録した時点では、アバターがろくに洋服も持ってないし、家にも何も無いので妙に寒々しい。 対戦や情報交換、足跡訪問などで他の会員とコミュニケーションが活性化すればするほど、見栄心からアバターが装飾されていくという流れができている。 ■ゲーム・コミュニティに学ぶ SNS のツボ(まとめ) 1. 無料でゲームができるという「お得感」から参加、対戦ゲームの楽しさを知り、自然と仲間ができてくる。 2. 「見栄の気持ち」からアバター購入が必然となり、その時点で有料会員にシフトすることになる。 3. 不買品のレア・アイテムが「無い物ねだりの気持ち」を刺激し、サークルや知識コミュニティを活性化させるキラー商品となっている。 4. 個人、サークルともランキングにより「射幸心」が煽られ、コア・ユーザー化し、友人を会員に招待する強力なドライバーとなる。 ベースにあるゲームの楽しみだけではなく、人間のナチュラルな感情の発露、交流したい気持ち、射幸心などを巧みについた心理的ビジネスモデルが見事に仕組まれ、一連の流れになっている点が大いに参考になる。 【当コラム執筆は、代表である斉藤と CTO である通称 KOSBY が担当しています】 関連記事
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