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マーケティング2006年3月27日 10:00
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第六回 「音楽ファンが熱中するコミュニティ事例 その2」

この記事のURLhttp://japan.internet.com/wmnews/20060327/6.html
著者:斉藤 徹
国内internet.com発の記事
前回に続き、音楽ファンをコアユーザーとしている SNS を取り上げたい。今回のテーマは、音楽 SNS 活性化のキーとも言える「音楽を通じた縁結びの仕掛け」にフォーカスする。


■縁結びから熱中がはじまる

SNS はネット上の社交場であり、「自分が知り合いたい人と、いかに労力少なく出会えるか」というユーザー視点が非常に大切だ。音楽 SNS を例にとると、「知る人ぞ知る Dr.John のファン」、「ミュージックマガジンが愛読書だった70年代ロック・マニア」など、接点が「マニアック」で「こだわり」があればあるほど良い。日常生活では探し出すのが困難なニッチな友人との出会いこそが SNS の真骨頂と言える。

ただし、音楽 SNS に登録したユーザーはそのようなことを意識していないケースがほとんどだ。意識されていない潜在的な欲求「ウォンツ」を気づかせて「ニーズ」に転換する、そのユーザーインターフェースの創意工夫がコアユーザー獲得のための極めて重要なポイントであると言える。


■特定アーティストのファン交流

インディーズ・アーティストとファンとの交流は、典型的なマニアック・ニーズだ。前回紹介した世界最大の SNS コミュニティ「MySpace」の原点でもある。日本においても、インデックスキャスティングが SNS と楽曲配信を兼ねたコミュニティサービス「YoroZoo 〜萬〜」(ヨロズー)を開始している。このコミュニティではユーザーとアーティストが存在しており、特にアーティストは活動情報・ブログ・作品などを無料で発信できる。さらにファンとして登録したユーザの一覧(ファン一覧)も閲覧でき、ダイレクトなファンとのコミュケーションが可能となっていることが特長だ。ランキング上位のアーティストをメジャーに育てるバックアップ体制も備わっており、インディーズにとって最高の環境が提供されている。


■音楽の再生履歴による交流

能動的にファンとして行動するユーザーはさほど多くない。であればユーザーの音楽嗜好を自動的に取得することはできないだろうか。そのようなニーズが PC 上での音楽再生ソフトと連動を図るアプローチへと進化した。ボランティアで運営されている「音ログ」や、その音ログ API を採用したソニーの「PLAY LOG」だ。これらのコミュニティでは、iTunes などの音楽再生履歴を自動的にアップロードするツールと連動することにより、自分と同じ曲やアーティストを聞いているユーザーを閲覧しコミュケーションすることができる。「ウォンツ」から「ニーズ」への転換という意味で注目すべきアプローチと言えよう。


■共通の音楽嗜好の発見

さらに音楽嗜好の自動認識を一歩すすめた最新のサービスが英国のネットラジオ Last.Fm のアプローチだ。Audioscrobble というプラグインと連動し、ユーザーの再生履歴から好きな音楽の傾向を自動識別、一人一人にカストマイズされたプレイリストで音楽を配信するという画期的なものである。また SNS コミュニティもあり、Last.Fm が自動識別した共通の音楽嗜好を持つ仲間(Neighbours)がマイページに表示される仕組みになっている。(プロフィールに100曲以上の音楽履歴があるユーザーのみ) さらにそのユーザーのプロフィールページをつぎつぎたどることで音楽趣味を通じた「マニアックな仲間」が増殖していく。友人関係ではなく音楽嗜好の関係性が基本となっている SNS という意味で非常に斬新であり、他の趣味分野にも応用できるアプローチと言える。


■音楽ファン・コミュニティに学ぶ SNS のツボ その2(まとめ)

1. SNS、特にワンテーマに絞ったコミュニティにおいては、共通の嗜好や喜怒哀楽を持つ「ニッチな友人との出会い」を演出することが重要なポイントとなる。
2. 音楽をテーマにした SNS では次のようなアプローチが効果的である。
  ・積極的なファン層に対しては、明示的なアーティストとファン間交流を促進する
  ・一般ユーザーに対しては、音楽再生履歴などから自動的にユーザーの好きなアーティストや音楽嗜好を識別し、「マニアックな仲間」をリコメンドする

この音楽再生履歴のアップロードは、ブックマークをネット上で共有するソーシャルブックマーク(SBM)と共通するものがある。SBM サービスも、本来の目的であるホームページの分類や人気度調査、解説情報付加などから進化し、自分と共通の関心を持つユーザーの発見に注目が集まっている。モノと異なり、ヒトは非常に複雑かつ多面的で常に変化する個体性質を持つ。これを日常行動の記録から自動分析し、共通の趣味や特定の専門性を持つ人材を発見するサービスは、SNS の進化の方向性のひとつである。

【当コラム執筆は、代表である斉藤と CTO である通称 KOSBY が担当しています】


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