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2009年7月4日
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Webマーケティング2006年4月18日 10:00

第七回 「音楽ファンが熱中するコミュニティ事例 その3」

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引き続き、音楽ファンをコアユーザーとしている SNS を取り上げたい。今回のテーマは、音楽 SNS のキラー・コンテンツである「楽曲」の著作権対策にフォーカスする。


■音楽 SNS が活性化する理由

SNS では共通の趣味や話題が重要なドライバーである。音楽 SNS では、音楽ファンが集い、音楽を通じてコミュニケーションが伝播し、人間関係やコミュニティが形成されていく。ここで重要なのは、「音楽」そのものがネット流通できるデジタル・コンテンツであることだ。世界最大の SNS「MySpece」では、アーティストが自作曲をアップロードし、ファンはそれをマイ・ページのテーマ曲としたりダウンロードしたりできる。他にもネット配信できるコンテンツとして「ゲーム」や「ソフトウェア」があるが、オンラインゲームはコミュニティなしでは成立しなくなっており、ソフトウェアではオープンソースの開発プロセス自体がコミュニティ・ベースと言える。このようにデジタル・コンテンツがコミュニティ活性化のキラー・ドライバーとなる一方で、共通の課題として浮かびあがってくるのが「著作権の処理」である。


■ユーザーの自主性を尊重する「YoroZoo 〜萬〜」

インデックスキャスティングが提供している SNS「YoroZoo 〜萬〜」(ヨロズー)では、インディーズ・アーティストのアップロードした楽曲をユーザーが無料ダウンロードできる。著作権は自主管理を基本としており、JASRAC 等の著作権管理団体に属している著作物をアップロードする場合には事務局の事前許可を得る必要がある。ファイル形式として MP3フォーマットを推奨しており、ユーザー間で自由に流通していくことを前提としたサービスとなっている。


■アーティストが直接音楽を有料配信できる「wacca」

チームラボビジネスデベロップメントが提供する SNS「wacca」も、やはりインディーズ・アーティストとファンの交流をメインとした SNS であるが、音楽配信サービスを行っているリッスン・ジャパンと連携し、Listen ポイントをベースにしたアフィリエイト機能がある点が特長と言える。さらにアーティストがレーベルなどを通さずに直接エンドユーザーに有料配信できる discover store 機能も予定しているようだ。これは著作権団体に信託していない楽曲を対象としたもので、販売楽曲には DRM(著作権保護機能)を付加することで、オーディオプレーヤーへの転送回数、CD-R への書き込み回数を制限する設定等を実装する。楽曲をアップロードする際に人手を介して著作権等の事前審査をしている。その際に「視聴ファイル」は音質を劣化された MP3形式、「無料ダウンロードファイル」は MP3形式、「有料配信ファイル」は DRM 付加(ただし開始日は未定)というコンテンツ変換工程を行う仕組みだ。


■個別の著作権処理を行うことで有料配信を行う「recommni」

レコミュニが提供する SNS のしくみを利用した有料音楽配信サービス「recommuni」では、会員がリコメンドする楽曲をサーバにアップロードできる。事務局はそれらアップされた楽曲に対して個別に権利者に配信可否を確認し、許可が取れた時点から有料ダウンロードが可能になるというサービスである。配信価格については、最低で50円、リコミュニ推奨価格が100円としている。配信ファイル形式に制限はなく自由にコピーできるため、レコード会社やレーベル相手の交渉が難航しており大手は参加していないが、インディーズ・アーティストにとっては直接エンドユーザーに有料配信できるコミュニティが実現されている。


■コピー曲演奏の著作権処理を一括で行い無料で公開できる「プレイヤーズ天国」

これら3つの SNS サイトは、アーティストとファンというタテ交流が基本となっている。それに対してアーティスト間のヨコ交流に主眼をおいたコミュニティがある。ヤマハが提供している有名な SNS サイト「プレイヤーズ王国」だ。4万人を超えるアーティストが集い、多数の楽曲がアップロードされ無料配信されている。このサイトの特長は JASRAC 管理楽曲のコピー演奏に関わる著作権処理(許諾手続きと使用料の支払い)をヤマハが一括で行うことで、プロアーティスト作品のコピー演奏を合法的に配信できる点である。すでに約5万曲が投稿されているが、総じてオリジナル曲より耳慣れたコピー曲の方がレイティング(人気)が高いようだ。このサイトを通じてメンバーの募集や共作を行っているバンドも多いが、その際にもアップされた曲を実際に聴きテイストを確認した上でコンタクトできるなど、アマチュア・バンドにとって非常に重要なサイトと言えよう。


■音楽ファン・コミュニティに学ぶ SNS のツボその3(まとめ)

1. 音楽 SNS のキラー・コンテンツは「音楽」そのものであり、共有することでコミュニティ活性化に大きな役目を果たす反面、その著作権処理が重要なポイントとなる。
2. インディーズもしくはアマチュア対象のサイトでは配信自由な MP3が良いが、大手レコード会社/レーベル・アーティストを対象とする場合は DRM(コピー防止)処理が重要となる。

話題が SNS から少しそれるが、ロシアの激安音楽サイト「all of mp3」が注目を集めている。5〜10円/曲と一般配信サイトの10%以下で購入できる上に、洋楽に関する品揃えは iTunes を圧倒し、さらに MP3というコピー自由なファイル形式で配付されている。重要なのは、このサイトが非合法ではなく、「ロシア・マルチメディア&インターネット協会」から正式に MP3ファイルの販売許可を受けているという点だ。そもそもロシアの CD 単価は日本の10〜20%程度である上に、ロシアの著作権法がオンライン配信に有利に設定されていることがこの価格破壊を生んでいる。国際レコード産業連盟(IFPI)からの猛烈な圧力にもかかわらずロシア当局は完全に合法と判断したようだ。インターネットに国境はない。ボーダーレスな音楽配信や音楽リコメンド・コミュニティが、音楽業界に地核変動を起こす日が近づいている。これらは同時に著作権処理にも大きな影響を及ぼすことが予想される。

【当コラム執筆は、代表である斉藤と CTO である通称 KOSBY が担当しています】


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