2006年中国エアコン市場はハイエンド製品の競争激化販売台数が減少の一途をたどっていた中国エアコン市場だが、2006年2月になってようやく、累計販売台数ベースで増加に転じた。1月と2月のエアコン販売台数はそれまで4か月間の販売ダウンを補い、累計で1.2%の増加となった。また、輸出は2005年11月から4か月連続で伸び続け、販売台数を押し上げる主因となった。中でも2006年1月〜2月はそれぞれ20.2%、21.2%と大きな伸びを示し、大方の予測を上回る伸びとなった。
海外向けが好調であるのに対し、中国国内における販売情況は芳しくない。2005年11月以降、旧正月の影響で販売が伸びた1月を除けば、残りすべての月で販売ダウンとなっている。2月までの累計では5.3%ダウンしている。 国内販売の不振と市場競争の激化を受けて、エアコンメーカーが生産台数を抑えたため、エアコンの累計生産台数は前年同期比では減少を続けている。しかし好調な輸出の牽引があったので、2005年12月から2006年1月までの間は増産となった。今後については、2月の生産台数が前年同期比で減少していることから、輸出の伸びによる牽引は長続きしないと考えられる。 一方、販売台数の増加と生産台数の抑制により在庫が減り始め、2006年2月までの累計では前年同期比9%減となっている。今後は、販売シーズンを迎え在庫の消化が進むだろう。また、メーカーが生産を抑制しているので、在庫の消化はいっそうテンポを上げていくと思われる。 2006年の販売シーズンを前に国内販売の不振、業界全体の利益減少、継続的なブランド減少という状況の下、メーカー各社は戦略を変更してそれぞれの特長に合ったニッチなマーケットに対して攻勢をかけ始めている。 美的電器は、規模拡張を中心とする戦略から、ハイエンド製品を中心とした製品構造にするという「ブルー・オーシャン戦略」に変更した。格力電器は、高級品戦略を採るとともに、「十年クラブ」を中心とするブランド力を強化した営業を行っている。また環境保護をうたう新製品をリリースするなど、製品構成でも大きな改革を実行している。 家電最大手の海爾(ハイアール)は、従来の路線を踏襲する形でハイエンド市場におけるブランドイメージのアピールに取り組む。格蘭仕(ギャランツ)空調は光波空調というコンセプトを、志高空調は技術的機能的な先進性を、そして海信(ハイセンス)空調はインバーターエアコン市場におけるリーディングポジションをそれぞれアピールしている。 このように、2006年はハイエンド市場の競争がますますし烈になるだろう。メーカー間のコア技術にかつてほどの差がなくなっている現在、他社との差別化を図るために、品質が改めて強調されている。大量生産を行うと同時に、いかに製品の信頼性を堅持するかということが、メーカーにとっては重要だ。 販売ルートもまた、エアコンメーカーが競争に勝つための重要ポイントである。メーカーは価格戦争によって引き起こされた利潤の低下という局面を打開しようとしているが、その一方で、国美、蘇寧を代表とする家電量販店は、最も得意とする価格戦略、すなわち数十億元という発注書を出し、大量購買によって購買コストを下げることで低価格販売を実現するという戦略を採っている。 メーカーが量販店に委託してばかりいたら、価格の主導権が失われ、メーカーの利潤を確保することができなくなる。技術投資と人材確保のために必要な資金の問題を解決することもできず、また製品の品質アップもままならず、このため製品の差別化もしにくくなるのである。 現在、自社で販売ルートを構築できるメーカーは格力電器一社だけである。販売ルートの自主構築をかつて高らかに宣言した美的、格蘭仕(ギャランツ)、TCL などは次々と戦略を変更し、半ばしかたなく量販店に頼っている状態だ。製品の品質、販売ルートの管理力と販売店の信用といったことが、販売ルートの自主構築において成功の可否に関わる重要な要素になっている。 メーカーによる6年間の修理保証の実施、また国による COP(エネルギー消費効率)標準の推進により、エアコン業界での競争に参入するためのハードルは大変高いものとなった。ここで効果的に生産コストと修理コストを下げることができない企業は淘汰を余儀なくされる。 (執筆:サーチナ・齋藤浩一) 関連記事 最新トップニュース
|
|