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EU の環境保護政策に戸惑う中国電子機器メーカー7月1日から、EU(欧州連合)で特定有害物質使用規制である RoHS 指令が実施された。この指令により、鉛など6種類の有害物質を含む電子機器は EU 域内への輸出と市場での販売が禁止され、違反者は法律で処罰されることになる。2006年1月から実施されている WEEE(廃電気・電子機器リサイクル)指令とともに、中国の家電業界はいま、EU 環境保護政策への対応に苦慮している。
中国機電産品進出口商会の于治璞・秘書長は、「RoHS 指令は製品の生産段階すべてに関係するので、自社製品、OEM 製品を問わず、また企業規模の大小に関わらず大きな影響を受ける」としている。同商会が算出したデータによると、2005年の中国の電子機器輸出額は4,267億5,000万ドルで、中国の輸出総額の56%を占めていた。中でも EU は米国に次ぐ輸出先であり、その輸出額は904億8,000万ドルにも上っている。同商会の予測によれば、今回の二つの指令の実施によって影響を受ける製品の総額は300億ドル超。EU 向け輸出額の約3分の1に相当する。 打撃を受ける各メーカーは、コスト上昇に頭を痛める。ある調査によると、中国家電メーカーの64%が、RoHS 指令実施後に製品価格が上昇すると予測している。エアコンの場合は、コスト上昇幅が15ドルから20ドルに達するという見方もある。于秘書長は RoHS 指令の実施による生産コストの上昇率を平均1割とみている。しかし、指定された有害物質を使用している製品のメーカーには、負担増で動きがとれないために金縛り状態に陥るところもでてくるだろう。 EU 市場に重点を置く厦華電子(Xoceco)や TCL などの大手企業では、RoHS 指令の実施が決まった段階からラインの改造に取り組んでいたが、中小の家電メーカーの中には対応できないところもある。于秘書長の予測では、中小の家電メーカーの3分の1程度が、コスト高騰を理由に EU 市場から撤退するのではないかと見ている。 厦華電子は、2004年4月にトップの座に就任して組織改革を断行した謝思瑜総経理が、ブラウン管(CRT)カラーテレビでは二流だった同社ブランドを中国におけるフラットパネルディスプレイのトップブランドにまで押し上げたことで知られる有名企業だ。国際的な半導体メーカーと共同実験室を設立し、ディスプレイ用半導体チップの設計にも乗り出すなど、新たな事業展開をはかっていることでも知られているだけに、環境保護の面でも先進的役割を担っている。 RoHS 指令のような電子機器に対する環境保護要求は、米国、日本、中国でも高まっており、家電メーカーにとっては避けて通ることができなくなっている。中国でも情報産業部が RoHS 指令の中国版ともいえる「電子信息産品汚染控制管理弁法」を今月6日に公布しており、2007年3月1日から実施される。これにより、RoHS 指令と同様、鉛、カドミウム、6価クロム、水銀、ポリブロモビフェニル、ポリブロモジフェニルエーテルの6種の有害物質を含む電子製品の市場流通が禁じられることになる。 また、中国国内では大手携帯電話メーカーが使用済み製品のリサイクル回収を始めたほか、パソコン大手のデルも、この11月から実施する中古製品の無償回収の対象地域に中国を含めている。デルのマイケル・デル CEO が述べているような、「生産・販売した製品を回収することは、ユーザーに対する当然の責任だ」という視点は、今後急速に浸透するだろう。中国の電子情報産業が環境保護にどういった取り組みを行うかに注目だ。 (執筆:サーチナ・齋藤浩一)
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