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2006年10月24日 11:50

BenQ:シーメンスの携帯電話事業買収1年で暗雲

台湾 BenQ が独シーメンスの携帯電話事業部を買収して設立した BenQ モバイル(本社:ミュンヘン)が、設立1年にして危機に立たされている。

9月28日に BenQ が投資中止を発表したのに続き、ラテンアメリカの4支社と工場を11月に閉鎖することが決定。10月19日には、破産を免れる最後の手段としてドイツの職員約3,000人のうち1,950人を解雇する方針が伝えられた。世界第4位の携帯電話メーカーになるという計画に反する結果となった。

BenQ モバイルの設立は2005年10月1日。電子製品から工業製品へのシフトを進めるシーメンスの携帯電話事業を買収すると発表してから4か月後のことだ。買収発表時のシーメンスの携帯電話事業の欠損額は5億ユーロ(約6億1,300万ドル)に達しており、赤字事業の買収に疑問を投げる関係者が多い中でのスタートだった。

暗雲がはっきりと伝えられたのは9月28日のこと。BenQ が、BenQ モバイルへの投資を中止すると発表した。これまでは、2006年第4四半期(10−12月)に赤字を解消し、通年の損失額を3億ユーロ程度に抑えるという楽観的な見通しが示されていただけに、関係者の間には衝撃が走った。

BenQ では、24日に第3四半期(7−9月)株主説明会を開き、投資の中止により第4四半期の赤字額が縮小する見込みであることを発表する予定だ。しかし、最終的な赤字額及びグループ全体への影響などがどうなるかは不透明だ。

10月3日には、BenQ の CFO Eric Yu が、BenQ モバイルの携帯電話事業の累積赤字が8億4,000万ユーロに達したと発表した。1週間ほど前に発表されていた6億ユーロを大幅に上回るものだった。

株主説明会5日前の10月19日には、破産管財人が、ドイツの職員約3,000人のうち1,950人を解雇する考えを示した。そこでドイツ側で焦点となったのは、解雇の対象となるのが元シーメンスの社員であることだ。

これについてシーメンスの CEO Klaus Kleinfeld は、「『買収後1年以内にリストラによる解雇は行わない』という期限が切れたとたんに投資中止とリストラが発表された」と不快感を示している。また、BenQ に対して法的措置も考えているとした上で、「シーメンスが売却相手に BenQ を選んだのは、ドイツでの業務継続を約束してくれたからだ」と怒りをあらわにしている。

一方、ラテンアメリカにある BenQ の4支社とブラジル工場についても、11月以降に営業を停止することが伝えられた。CFO Eric Yu は「万一閉鎖が決まったとしても、中国大陸、台湾、東南アジア、インド、中東の業務に影響はない」と強調しているが、グループ全体への影響が懸念される。

「新体制発足後の売上高は年間100億ドル以上になる」と予測した BenQ だが、世界第4位の携帯電話端末メーカーになるという「宣言」はおろか、BenQ 本体への影響も懸念される事態に陥っている。
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