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2006年11月1日 11:00

ブランドの約束を明らかにせよ−ソフトバンクのブランド戦略

ソフトバンクが英ボーダフォン日本法人を買収し、携帯電話事業に参入した。これに伴い、社名は「ソフトバンクモバイル」、サービスブランドは「ソフトバンク」となり、ロゴも一新された。新ブランドの告知のために大々的に広告キャンペーンを行い、短期間にブランド認知を高める施策に出た。一方で既存ユーザーのメールで従来のアドレスの利用が引き続き可能など、かつてのJ-フォンからボーダフォンへの移行時に見られた不都合への配慮もされている。

シェア奪回の期待をかけて導入されたのが「予想外割」と称する月額2,880円の定額料金「ゴールドプラン」である。(実際には種々の制約があるため単純に安いばかりではないらしいが。)

かつて、ソフトバンクは「Yahoo!BB」で画期的な料金プランを提示し、それを一つの契機として日本のブロードバンドユーザーは飛躍的に増加した。日本のインターネット普及に同社が果たした功績はきわめて大きいといえる。

しかし、今回は少々状況が違うのではないか。「Yahoo!BB」のサービスが始まったとき、わが国の家庭にブロードバンド環境はまだあまり普及していなかったが、その一つの要因として高い利用料金があった。しかし、携帯電話の場合には既にかなり普及している。もちろんユーザーにとって料金は安いに越したことはないが、それが普及の妨げにはなっているわけではない。

ボーダフォン時代にはインフラ整備の遅れなど、ユーザーの不満があった。ソフトバンクになっても、番号ポータビリティの受付業務を一時停止するなど、ユーザーの印象を悪くしかねないトラブルが起きている。

同社に好感を持ち、革新者としてのイメージを抱く一般消費者は少なくないだろう。一方で、投資会社的な性格に危うさを感じる向きがあるのは否定できない。今回は、今後の推移しだいではあるが、後者のイメージを補強してしまう結果となりかねない。

価格競争にも技術的な裏づけがあるのならよい。それならば革新者としてブランドイメージは大いに向上するだろう。しかし、単なる安売りではブランドの構築は難しく、ロイヤルティの高い顧客の獲得には結びつかないのではないだろうか。

かつて、ボーダフォンは「10の約束」を掲げながら、うやむやにしてしまった。ソフトバンクモバイルには、安心できるブランドとしての「ブランドの約束」を明確にし、それを着実に実行することが求められるのではないだろうか。


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