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2007年1月30日 09:00
第三十九回 「SNS に参加するインセンティブ 〜各論3」今回は、前回に引き続き、ユーザーが SNS に参加するインセンティブとして、より高度な社会心理的インセンティブについて、海外の事例を取り上げながら本質に迫りたい。
5. レベルアップの演出 投稿数やコメント数、レーティング数値といった統計情報は、数値の大小に応じて多様なグラフィックを用意することで、さらに魅力的な効果を生む。 例えば、子育てに関するノウハウを親同士で共有する minti では、ユーザーの投稿数や評価に応じて、勲章やメダル、バッジなどを与えて、ユーザーの名誉心をたくみにくすぐっている(図1)。これらの勲章やメダルは、情報発信を重ねることでレベルアップする仕組みになっており、遊び心が感じられる。 ユーザーがゲーム感覚で気軽に参加できるような、エンターテインメント性のある SNS は注目だ。検索結果の表示画面などでは、これらのアイコンは常にユーザー ID と並べて表示される(図2)。
6. 統計情報の細分化 統計情報はサイトの目的に応じて細分化して集めることで、ユーザーに多くのメリットをもたらすだろう。 例えば、前回も取り上げたレビューサイトの yelp では、レビューに対する評価を「クール」「ホット」「キュート」「ファニー」など、10種以上のカテゴリに分類して投稿することができる。そのため、クールなレビューを書くユーザー、かわいいレビューを書くユーザーなど、レビュアーの属性が明らかになる(図3)。 また、ビジネスマッチングサイトの LinkedIn では、ユーザーの得意とする業務分野や、顧客や上司からの評価などを数値で表し、新たなビジネスを構築する上で欠かせないユーザーの信用情報に厚みを持たせている(図4・5)。
7. 特殊なケース その他の特殊なケースとして、例えばファッションについての情報を共有する SNS の fashmatch では、ユーザーは自分で作成したコーディネイトや好きなブランドを表示し、ファッションセンスをアピールすることができる(図6・7)。ユーザーのファッションセンスへの他人からの評価は、商品タグの形をした、凝ったグラフィックで表示されている(図8)。
以上のように、2回にわたって「社会心理的インセンティブ」の具体的なケースを見てきたが、これらの仕組みはユーザーに次のようなメリットを与えている。 ひとつ目は「認知度」の向上だ。足あとやお気に入り登録数を目に見えるようにすることで、ユーザーは「参加している」あるいは「見られている」という実感を得ることになる。ふたつ目は「影響力」の向上だ。統計情報が集計されると、ユーザーはたやすくインフルエンサー(影響力のある人)を見分けることができるようになる。そして三つ目は「信用力」の向上だ。卓越したグラフィックと細分化された統計情報は、信用力の向上につながり、ビジネス SNS の可能性を広げるだろう。 ユーザーは、認知され、信用されているという感覚を強く持つことで、より積極的に参加するようになり、質の高い情報を提供しようとする。社会心理学では「ピグマリオン効果」と呼ばれているこの現象は、SNS を構築する上で良いヒントになるだろう。 SNS は、その基本コンセプトである「人とのつながり」をいかに巧みに演出できるかによって、活性度が大きく異なってくる。テーマを限定した特化型 SNS が増えてくるにつれ、こうした演出方法も、それぞれのテーマを際立たせるものが必要となってくるだろう。 【当コラム執筆は、Looops Communications 代表である斉藤徹と、同社アドバンスト SNS プランナーの大迫正治が担当しています】
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