そこで、中国政府が下した選択は「待つ」ことだった。スケジュールは再三遅れ、「3G ライセンスの発行解禁は2007年1−3月」というのが大手コンサルティング会社や金融機関の予測の中で主流を占めるようになった。しかし、06年末になって、China Mobile の関係者は、「3G の許可が1年以内に下りることも、通信キャリアの再編もないだろう」ともらしたとも伝えられている。
通信キャリアとして最大手の China Mobile は、中国 3G 政策の重要な決定力を持つキャリアとなっている。中国政府が TD-SCDMA を普及させたいのであれば、China Mobile に特権的、例外的な 3G ライセンスを付与、TD-SCDMA に注力させればよいという意見も聞かれるようになっている。3G 競争の激化を予想している China Mobile は、この考え方に賛同、ライセンスの早期付与を条件に政府に追随する可能性もあるのではないかと指摘されている。
そのために China Mobile は、できるだけ TD-SCDMA の技術テストの終了時間を遅らせ、技術を完全に掌握しなければならない。とはいえ時間を無制限に引き延ばすことはできない。中国政府は「08年の北京五輪には 3G サービスを間に合わせる」と宣言しているからだ。