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マーケティング2007年8月29日 10:00
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なぜ現状把握が必要なのか

この記事のURLhttp://japan.internet.com/wmnews/20070829/8.html
著者:株式会社デジタルフォレスト 執筆:前野有美
国内internet.com発の記事
あるクライアントから、「リニューアルに向けて現状把握をしたい」という問い合わせをいただいた。

主旨としては、既に広告代理店と Web 製作会社の選定は済んでいるのだが、いざ上がってきたリニューアルの素案を見てみると、説明した問題点が改善されていない。このままでは良い Web サイトが作れないのではないかという不安を抱かれたようだ。感覚的に説明しただけでは同じ間違いを繰り返す可能性があるため、数値的に問題点を把握し、きちんと Web サイトの改善を図りたいということだった。

このクライアントは以前からアクセス解析ツールを導入していることもあり、予定外の作業が発生することになったものの、サイトリリースに間に合うよう現状把握をスケジュールに組み込むことができた。

■現状把握からどのような問題が浮き彫りになるのか?

広告代理店や Web 製作会社などステークホルダーに対して、問題点を客観的に伝達するために始めた現状把握。どのような問題点が浮き彫りになったのか。

このクライアントは企業に向けて精密機器を製造・販売している。当然、Web サイトは BtoB サイトの特徴を備えている(BtoB サイトの特徴に関しては「成功する BtoB サイトの条件」参照)。

ところが、現状把握を実施した結果、ポータブル性の高い商品に関しては個人の来訪が多く、なおかつ、高い割合で登録ページの手前まで至っていることがわかった。しかし、コンバージョンしている個人の訪問者は少ない。

というのも、この登録フォームは企業向けの仕様で、個人のお客様が入力しにくくなっており、そこで多くの訪問者が離脱していた。しかし、このクライアントは現状把握を実施するまで個人の見込み客が存在することに気づいていなかったのかといえばそうではない。BtoC サイトにリンクを貼り、そこから自社サイトへの流入も図っていた。

ところが、コンバージョンに至っている数が少ないものだから、その有効性が明確に把握できていなかったのだ。企業よりも個人に対して売れるとわかれば、今後はビジネスモデルの変更を検討しなければならない。当然、この商品に関しては Web サイトの作りも一般消費者を視野に入れたものにしなければならないだろう。

何となく気づいていた問題点。何となくは伝えていた。しかし、明確に方針を打ち出すことができなければ、受け手もどちらに走れば良いかわからない。もしも数値的に現状把握をしていなければ、間違った方向に舵を取っていたかもしれない。

■数値化された現状把握の重要性

「問題点はだいたいわかっている。大事なのは目標をどう立てるかだ」とか、「現状把握する時間があったら Web サイトを改修したい」と言われることが多々ある。このような時、私は、「それは正しい意思決定ですか」と質問することにしている。意思決定行う局面で間違った選択をしてしまう例は枚挙にいとまがない。

間違った意思決定をしてしまう要因は3つあると考えている。

 1.目標の不在
 2.現状把握の不在
 3.戦略の不在

この3つの要素の中で、「何が最も問題か?」と聞かれたら、あなたは何を選ぶだろうか?「目標の不在」を選ぶという意見が多いのではないかと推測するが、ビジネスの現場においては、「現状把握の不在」が非常に重要な問題だ。組織として適切な判断・対策を継続的に実行するために重要なことは、誰もが「なるほど」と納得できるような客観的でわかりやすく示された論理、あるいは筋道だ。

もし「目標」が、多くの人の合意を得られるような客観的な論理の上に示されたものであればそれはそれで充分だ。あとは、それをどう実現していくかを検討することとなる。しかし、現状を正確に把握できていないままの「理想とする姿(=目標)」を漠然と思い描いた議論が多いのもまた事実。現状を客観的に把握できないまま行われる議論から導かれる結論は、当人たちにしてみれば大真面目かもしれないが、傍から見ると残念ながら説得力に乏しいことが多い。

企業の財政状態を把握するために財務諸表を作成したり、家庭で収支勘定を行うために家計簿をつけるのは、数値化こそが現状を把握するために役に立ち、効率的であるからだ。現状把握は数値化されてこそ意味がある。

■正しい意思決定のために

現状把握の延長に目標は存在する。たとえば、強みを思い切り伸ばしたらどうなるだろう?その場合1年後はどうなっているだろう?という想いを巡らせることで、「具体的な目標」が創り出される。ここでいう「目標」は、単なる夢や理想とは異なり、明確な数値で捉えられる到達点を意味している。つまり、「目標」とは、そこへ到達するための具体的な手段、投入資源の判断において、可能な限り数値的な裏づけがあり、筋道が立ったものである必要がある。

「やりたいことだけ詰め込んだら何が強みかわからないサイトになってしまった」「Web サイトの問題点を改善したいのだが、限られた資源の中でどこから手をつけて良いかわからない」例えばこんな状況に陥ってしまったら、精度の高いアクセス解析ツールなどを用いて数値的な現状把握を実施して欲しい。正しい優先順位付けと意思決定の助けになるだろう。

(株式会社デジタルフォレスト コンサルティング部 部長 前野有美)

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