Web は情報の流通や企業内ナレッジのあり方に大きな変化を与え、企業は従来のピラミッド型組織に加えて、水平的な広がりを持つネットワーク型組織の長所を取り入れるようになった。また、便利なツールが整えられることで Web への参加が進み、ソフトウェア業界を中心に、個々の労働者は企業に依存しないワークスタイルを顕著に身に付けている。
このように「企業」単位ではなく「個人」単位で力を発揮する局面が増えるにつれ、個人レベルでのタスクをマネジメントする必要性も高まっている。個人に対して自律性・自己管理能力が今まで以上に求められるとともに、分権化のリスクも生じてくるが、これまで個々人の意識の中に潜んでいたタスクの状況を Web 上に公開することで、ここに活路を見出そうとする動きもある。今回はこうしたタスクの共有と、緊張感のある「相互マネジメント」を取り上げよう。
タスクを公開し共有することによるメリットは、単なるリソースの把握やスケジュール管理にとどまらない。言わば相互監視状況を生むことで緊張感をもたらしたり、能力と実績に見合ったタスクを実行する義務感をもたらしたりする。作業のベースを Web に置くことで透明性を高め、リスクマネジメントにも役立つだろう。
1. オンラインワークスペース
タスク共有の第一歩は、オンラインにプロジェクトメンバーのタスクを公開し、そのスペースをあらゆる作業の起点・終点と位置づけることだ。例えば Central Desktop は、見慣れたカレンダーにメンバー全員のタスクをマッピングするとともに、進捗状況をグラフで表示する。最低限の機能だが、まずは Web 上に「メモをとる」感覚の延長でタスク管理を行うことが重要である。
図1 CentralDesktop:タスクの進捗管理
2. プロジェクト管理
タスクに関する基礎的な情報が Web 上に出揃ってくると、それらを時系列に並べ、マイルストーンを併記することでプロジェクト管理が可能となる。Clarizen は、プロジェクトごとのマイルストーンとタスク管理機能を備え、個々のタスクに対して進捗状況を把握することができる。タスク間の順序や、タスクに必要なリソースを割り当てることにより、単なる「自発的な公開と共有」から、「意識的な指示とマネジメント」を実現する。