| Webマーケティング | 2008年1月31日 10:00 |
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商品開発に Web サイトを活用する方法 著者: 株式会社デジタルフォレスト 執筆:前野有美 ▼2008年1月31日 10:00 付の記事 □国内internet.com発の記事 前号の「なぜ顧客のニーズをつかめないのか」では、インターネットの出現によって顧客が変化してきていることを述べたが、今回は商品開発において、企業と顧客との間で Win-Win の関係を構築するには、どのようにインターネットを活用すれば良いかについて考えてみたい。 ■その機能は収益に貢献するのか? ところで、過当競争を強いられている多くのメーカーにおいて、多機能を追求するか、使い勝手を追及するかは難しいテーマだ。携帯電話を例に取ってみれば、消費者の購入検討から利用時にかけての心理はおおよそ以下に代表される。 「全ての機能を使うわけではないが、他の機種よりも圧倒的に機能が少ないと不安。後悔をするのが嫌なので最も機能が充実した機種を購入。実際使い出すと利用する機能は数えるほどしかない。こんなことなら使い勝手を重視してシンプルな機種を選択すれば良かったと後悔する。」 実は、この消費者心理の推移は携帯電話に限ったことではない。オーブンレンジでも AV 機器でも各種ソフトウェアでも当てはまる話だ。購入時には魅力的に感じた多機能さは、実は使えなかったり使いづらかったりで、最初の期待値が高かった分、「返品」、「乗り換え」、「口コミでの悪評」に姿を変える可能性がある。 ここで気づくのは、「充実の機能」は初期の売上に貢献し、「使い勝手」は長期的な顧客満足に貢献するということだ。機能が一つ増えたから売上が上がるという結論を出すのではあまりにも短絡的だ。機能が増えるたびに使い勝手が犠牲となり、結果として顧客満足を下げ、リピートを阻む原因になるという事実は見逃せない(注1)。 ■Web サイトで商品改良を行うには 上記のような問題を解決する際、皆さんはどのような方法を取っているだろうか。私は、消費者の生の声を聞いたり、実際の利用状況を観察したりすることが非常に有効と考えている。 調査手法はいくつかあるが、試用を前提としないアンケートには留意が必要だ。試用無しの製品評価では、性能が等身大以上に重視され、結果として機能過多となってしまう(例えば、大抵の人は、「Aという機能はあった方が良いか」と聞かれれば、あって困らないならば、「あった方が良い」と答えるものだ。その回答を真に受けて製品を作っても、実際には売れない可能性が高い)。 顧客満足の向上を図りたいのであれば、実際の製品かプロトタイプを試用してもらうユーザービリティテストを実施し、その結果を製品に反映させることが肝要だ。全ての商品がネットで試用できるわけではないが、ソフトウェアであれば試用期間を設け、全機能あるいは一部機能を消費者に試してもらうことができる。これは、企業と消費者の両者にとって大きなメリットをもたらす。 ネットアンケートの好例として挙げられるのは、今年1月1日にリニューアルされた Yahoo!JAPAN のトップページだ。リニューアル前に、その時点のトップページにβ版へ誘導するリンクを用意し、クリックするとβ版のトップページに一新される。使いづらいと感じて元のトップページに戻るリンクをクリックすると、β版の使い勝手に関するアンケートが表示される。 もちろん、このアンケートをキャンセルすることは可能だが、日々利用するポータルが使いづらくては困るので多くのユーザーがβ版を実際に利用した上で意見や感想を述べたのではないかと推測する。こういったアンケートにユーザー行動のトラッキングデータを組み合わせれば、さらに深い分析ができる。 ■Web サイトで商品開発を行うには 企業側が一方的に情報を吸い上げるだけでなく、もう一歩踏み込んだ商品開発の手法がある。企業がインターネット上で製品アイデアや意見を収集するためのコミュニティを作ったり、ネットで公開された消費者の製品アイデアに企業が参加するなど、企業と顧客が協働して商品開発を行うマーケティング手法だ。 食品をはじめとしたメーカーサイトでしばしば見受けられるが、このような、「Consumer(消費者)と Producer(生産者)が一体となった生活者」を、未来学者のアルビン・トフラーが著書『第三の波』で「プロシューマー」と名づけている。このプロシューマーとの協働が、今後の商品開発のキーと言えるだろう。 このようなインターネットを活用した商品開発のメリットには、 1.顧客と市場をリアルタイムで理解することができる 2.プロシューマーとの協働による密度の高い商品開発が可能 の2点が挙げられる。 ■顧客に負けるな、商品開発! 商品ライフサイクルがますます短くなる中、各社は、市場や顧客の求めるものをいち早く理解し、様々なオプションの中で、限られた資源をどのように有効活用して最大の利益を得るか、常に決断を迫られている。 その中で、顧客の声を真摯に聞き、トータルにそしてクリエイティブな商品開発を行うためには、何か月もかけて社内の開発者やマーケターだけで計画を詰めるよりも、顧客や現場、取引先などと対話しながら進めるのが理想的だ。是非、商品開発プロセスにインターネットを取り入れ、商品開発のスピードとクオリティの向上を手にして欲しい。 注1:一般顧客から得る利益の NVP(正味現在価値)を最大限に高める均衡点を求めるうえでの有効な分析モデルは『ジャーナル・オブ・マーケティング・リサーチ』誌のローランドT.ラスト教授他による論文を参照のこと。 (株式会社デジタルフォレスト コンサルティング部 部長 前野有美) 記事提供:株式会社デジタルフォレスト
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