Webマーケティング 2008年3月4日 09:00

第七十回 「2008.2 SNS 最新市場動向」

著者: 斉藤 徹・大迫 正治
2008年3月4日 09:00 付の記事
□国内internet.com発の記事

株式会社アイ・ティ・アール(東京都新宿区)は、2008年2月6日に「国内コラボレーション市場動向」を発表した。

このレポートでは、該当する製品市場としてグループウェア、Blog、SNS の3つの製品カテゴリーを掲げている。このうち、2006年度の出荷ベースの伸び率が高かったのは SNS 市場であり、200%を超える成長を果たし、その成長率は2007年も維持し、市場規模は13億円に達した見込みである。まさに倍々で成長を遂げている。

これは、2007年6月22日に株式会社ミック経済研究所が発表した「UNIX・Windows 対応ミドルウェアパッケージソフトの市場展望【次世代コミュニケーション編】2007年度版」が予測した傾向が正しかったことの証左でもある。

また、株式会社ミック経済研究所のレポートにはオープンソースの SNS に関する比較がなかったが、今回の株式会社アイ・ティ・アールの報告では、OpenPNE をエンジンにしたサービスを手がける株式会社手島屋も調査対象とすることで、ほぼ国内の SNS ベンダーを網羅したといえる。

アイ・ティ・アールの報告によると、以下の3つの大きな変化が確認できる。

■利用者ニーズの変化

利用者ニーズが、社外コミュニケーション用途(顧客の囲い込みやマーケティング活動の一環)から社内コミュニケーションの活性化に移行しつつあることが挙げられる。Web2.0という言葉がトレンドであった時期を過ぎ、確実な効果が求められるフェイズに突入したといえよう。

また、社内利用ということを考えると、グループウェアとの住分けも急速に進展してゆくと予想される。この意味では、SNS より圧倒的に大きな市場規模を持つグループウェアとの融合が今後一層加速すると思われる。

■ASP/SaaS モデルの浸透

出荷ベースで2005年は ASP/SaaS:パッケージ=61.3:38.7であったが、2007年は86.5:13.5となった。ASP/SaaS モデルでの導入傾向が高まった。上記の用途の変化と考え合わせると興味深い。

即ち、社内コミュニケーションへの用途が活性化しているなか、設備をアウトソースする傾向が強まっていることになる。この傾向は、「自前サーバールームは ASP ほどセキュリティを保てない」という導入企業の認識によって生じていると考えられる。

少し前までは、サーバールームにて自社管理したほうが安全との認識があったと思うが、現在の情報システムにおいては、設備に相当の投資が求められるとともに、当然メンテナンスする人材の確保・育成も困難の一途を辿っている。

一方、専業のデータセンターは、多数の運用経験を蓄積しサービスの信頼性を高め、同業者との厳しい競争の中コストの圧縮にも余念がない。業者を選定する決裁者にとっても、サーバールームを委託することに抵抗がなくなってきている傾向にあるのであろう。

加えて、本当に役に立つかどうかわからないアプリケーションは「ためしに使って」不調に終われば収束するオプションを確保したいとの本音もあろう。

■ベンダー固定化

導入実績を基にしたコンサルテーション能力、カストマイズ対応などで蓄積したノウハウがベンダー選定の差別化要因となっている。結果、2006年、2007年での上位5社の顔ぶれは変動していない。

ちなみに、2007年のマーケットシェアは以下の通り
( )内は2006年度

ループス・コミュニケーションズ 32.5%(17.1%)
ビートコミュニケーション 19.5%(30.8%)
手島屋 9.4%(14.0%)
関西ブロードバンド 5.5%(9.4%)
ケイビーエムジェイ 4.5%(6.5%)

【当コラム執筆は、Looops Communications 代表である斉藤徹と、同社企画部長の大迫正治が担当しています】

記事提供:株式会社 Looops Communications(ループス・コミュニケーションズ)


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