■IR サイトのターゲット
IR 情報のステークホルダーは、主に以下が挙げられる。
・機関投資家
・個人投資家
・海外(機関/個人)投資家
・格付機関・証券アナリスト
・メディア
・ビジネスパートナー
この中でも、近年、増加傾向にある個人投資家に注目が集まっている。個人投資家は投資判断をするために IR サイトにアクセスすることが多い。そして、デイトレーダーを除いた個人投資家は、投機的で市場の変動に敏感な機関投資家と異なり、その企業の一ファンとして多少業績が落ち込んでも一度保有した株式を長期保有する。
■IR サイト構築時の留意点
IR サイトのコモディティ化に伴い、サイト自身のユーザビリティは随分良くなってきているが、それでもまだステークホルダーとのコミュニケーション上の問題は数多く見受けられる。挙げ始めるといろいろあるのだが、特に気になる点を以下に記す。
・IR サイトの目的が不明瞭
IR サイトであるにも関わらず、広告・宣伝色が強く、プロモーションサイトとかわり映えのないケースがある。ターゲットに合わせたコンテンツ編成、見せ方をしっかり検討した上で、Web サイト制作に着手したい。
・英語版 IR サイトのターゲットは誰か?
英語版 IR サイトのターゲットは個人投資家よりもむしろ機関投資家の方が多いだろう。個人投資家をメインターゲットとした日本語版 IR サイトの内容を、そのまま英語版にするようなことは避けたい。
・コーポレートサイトから探しにくい IR 情報
多くはコーポレートサイトのトップページのグローバルナビゲーションに「投資家情報」もしくは「IR 情報」へのリンクが配置されているが、中には、配置位置や文字の大きさの問題からリンクが目立たず見落とされ、結局、「企業名+IR」で検索して IR サイトを探さなければならないような Web サイトも存在する。一般に、ユーザビリティ的に英語は読み飛ばされる傾向があるが、「IR」というワードは広く認知されていることから、漢字5文字で「投資家情報」とするよりも「IR 情報」と記載する方が、視認性が高く目につきやすい。
・「IR サイトマップ」を用意する
最近は業績や各種レポートを掲載するだけでなく、企業の方向性に共感できるようなコンテンツが増えてきている。IR 情報が充実しているのは良いことだが、そのため逆に IR サイトにどのような情報があるのかを俯瞰することが難しくなってきている。サイトマップを用意して、投資家が必要な情報に素早くアクセスできるように配慮したい。
・PDF のオンパレード
多くの企業が重要で必要な情報を PDF で開示している。PDF を開いては閉じ、閉じては開く作業を繰り返すのは非常にストレスだ。サマリーや目次くらいは HTML ベースで作成して概要を素早く把握できるようにし、詳細を PDF で掲載するなどの工夫が欲しい。
・動画は使い方次第
ブロードバンド化が進み、決算説明会の動画配信が増えている。文字情報からでは伝わりにくい経営者の経営能力や人となりを掴む上では有効だが、2時間にも及ぶような動画を PC の前でじっと見続けるのは辛いものがある。ダイジェスト版など編集を加えたものを掲載して欲しいものだ。