Web サイトの顧客満足をコントロールする方法1 〜顧客満足を生む顧客接点はどこ?〜Web サイトの顧客満足を上げようとして現状を知ろうとする際、Web サイトに特化した調査を実施しがちだが、実は顧客接点は Web サイト以外にもあり、顧客満足の善し悪しが Web サイト以外で決まることも多い。
これは、あるネット専業の通販サイトに苛立ったユーザーから聞いた話だ。インターネット広告の「品揃えナンバーワン」の謳い文句に誘われて Web サイトを訪れ、気に入った商品(代金合計約6,000円)があって購入した。 その後、すぐに注文完了メールが送られてきた。そこには、「マンションの部屋番号が記載されていないため教えて欲しい」ということと、「料金振込み確認後、2〜3日以内に商品が到着する」という主旨のことが書かれていた。 しかし、部屋番号を連絡し、振込みを完了して3日経っても商品が届かない。最初は、自分のミスかと思い、「もしかして、何かの手違いで料金がまだ振り込まれていないのでしょうか?」というメールを送るが、なしのつぶて。記載されている電話番号に連絡しても、いつも留守電になっている。 だんだん不安になってきて、もしかしたら詐欺にあったのかと考え出し、不安で夜も眠れない始末。振込み後8日目、とうとう弁護士事務所で働く友人に相談し、アドバイスを受けて、再度確認のメールを出す。そしたら、そのメールを送った日の午後に、商品がいきなり到着したのだそうだ。その店からは、その後も、こちらからの問い合わせに対する返事も、商品の発送が遅れた謝罪メールもなかったそうだ。 そのユーザーは、ひどい精神的苦痛を味わったと言って、その通販サイトには2度と行かないと憤慨していた。しかし、商品は良いものだったので、気に入って利用しているということだった。 ■顧客接点はどこか? ネット専業の通販サイトの場合、顧客接点には、大きく分けて以下の3つがある。 1.主要な顧客接点 ・商品の魅力(機能、性能、デザインなど) ・商品の品質(商品に不具合がないか) 2.購入時の顧客接点 2-1.Web サイト上の顧客接点 ・広告や Web サイトのあり方(デザイン性、ユーザビリティ、コンテンツなど) ・問合せ先の見つけ易さ(電話番号表記、問合せメールアドレスの見つけやすさ) ・FAQなど(顧客が自身で疑問解消できる場) 2-2.Web サイト以外の顧客接点 ・接客(問い合わせ対応) 3.購入後の顧客接点 ・アフターサービスのあり方 上記のエピソードでは、主要な顧客接点においては満足したが、購入後の顧客接点において不満を持っている。つまり、ユーザーは販売店と商品を別物として切り離して見ているといえる。 販売店と商品が別物ということは、逆に、以下のようなケースも考えられる。もしも、届いた次の日に商品が壊れてしまったとしても、販売店が快く返品に応じてくれれば、メーカーに対しての印象は下がっても、販売店に対しての満足度は変わらない、場合によっては向上するかもしれない。 ユーザーが購入時の顧客接点である、広告や Web サイトのあり方に不満を持つケースもある。欲しい商品があって Web サイトに訪れたとしても、ナビゲーションがわかりにくく、目当ての商品を見つけられなければ他の店に行く、というのがその最たる例だ。この場合、商品に対しての満足度は変わらない。販売店に対しては、致命的なクレームにつながることは無いにしても、リピートすることも無いだろう。 ■顧客満足を生む顧客接点はどこ? 一般的に、Web サイトの顧客満足といえば、広告や Web サイトのあり方にフォーカスが当たることが多い。しかし、忘れてならないのが、「FAQ に欲しい答えが無かった時、質問できる相手がいない」ということへの不満だ。 これは顧客満足度に大きく影響する。問い合わせしようにも電話番号が見つけにくくなっている大手企業の Web サイトはもちろん問題だが、お客様が、質問への回答を24時間以内に返答して欲しいと望むインターネットの世界において、今回のエピソードのように、問い合わせ用のメールアドレスも電話番号も記載してあるにも関わらず、販売店から一方的に質問は来るものの、こちらからの質問には全く返答しないようでは、顧客満足度を上げようと Web サイトのデザインをいくらいじったところで、ユーザーから見放されて当然と言えよう。 このように考えると、Web サイトのほとんどが、顧客サポートの役割も担っていることに気づく。顧客は、Web サイトの向こうに、自分のために親身になってくれる誰かがいて、自分の疑問を汲み取り、きちんと対処してくれると信じている。そう期待しているから、それに反することをされるとストレスを感じ、顧客満足に大きなマイナスの作用を与える。 今回、いくつかの顧客接点を挙げたが、自社サイトにおいてどの顧客接点を強化するのが最良の顧客満足度向上の施策であるかを、是非、ご検討いただきたい。 そうはいっても、顧客の要求には上限が無いし、満足させようと思えばコストもかかるという声が聞こえくる。次回は、顧客満足を向上させることによる投資対効果について書きたいと思う。 (株式会社デジタルフォレスト コンサルティング部 部長 前野有美) 記事提供:株式会社デジタルフォレスト
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