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2008年5月13日 09:00

Enterprise 2.0の導入から活性化までを考察する

■導入裏話

企業内に Web2.0ツールを取り入れることに関しては、各社各様で色々苦労されているようですが、筆者は社内 SNS を積極的に活用されている企業の運用責任者A氏に、運用開始に至るまでの苦労話として次のようなお話を伺ったことがある。A氏によれば、導入効果を社内で十分に認知してもらうまでの過程では、今では笑い話になるような抵抗勢力との戦いがあったようである。

抵抗勢力氏「社内 SNS を導入したらどのくらいの効果が期待できるのかね?」

A氏「SNS 導入で具体的な効果を定量化できるわけないでしょう。」

抵抗勢力氏「それじゃあ稟議通せないよ。説明資料がほしいなあ。」

A氏「じゃあ、コンサル会社に1,000万円くらいで、期待される効果に関するレポート作ってもらいましょうか?でも、レポートにコストをかける稟議も出さないといけないですよね?こちらも効果予測が必要ですかね?」

抵抗勢力氏「まあ、そういうことになるね。それから、SNS は仕事中には使わないように通達しておかないと。」

A氏「えっ?それじゃコミュニティは活性化しませんよ。SNS を仕事に使用するからこそ、社内コミュニケーションが活性化されて業務効率が向上するんですから。」

抵抗勢力氏「そんなもんなのかね。」

A氏「新しい試みを導入する際は、その効果を期待し得る使用法を推進する必要がありますし、多少の弊害はいたし方ないでしょう。」

抵抗勢力氏「弊害は困るね。」

A氏「喫煙ルームの設営や空気清浄機の設置についてはどうなんですか?これらの投資効果についてもいちいち説明資料があるんですか?勤務時間に平然とタバコを吸ってますが、禁止にしない根拠は?」

抵抗勢力氏「そりゃあ、喫煙ルームは、コミュニケーションの活性化に役立っているからなあ。」

このような問答がひたすら続いた後、やっと運用開始にこぎつけたそうである。この話を聞いてから2年、総務省の2007年末時点における情報通信サービスの利用状況などを調査した「通信利用動向調査」の結果(2008/4/18発表)によると6.8%の企業が SNS、社内 Blog を運用しているということである。

A氏にとっては、ようやく多数の理解者を得たことになる。消費者発信型メディアで培われた技術(いわゆる Web2.0 的技術)やノウハウは必ず企業活動においても効果を発揮するはずである。

たとえば、
・特定のテーマ・コミュニティが機動的に立ち上がり、関心のある人が集まり議論がなされれば組織の壁を越えて、事業活動が活発化することであろう。

・ブックマークを共有したり、コンテンツにタグをはることで、メンバーの意識の共有・技術レベルの全体的な向上に役立つであろう。

・Wiki 文書をつかえば、様々な部門の人が情報を補完しあい、完成度の高いコンテンツが生まれるであろう。また、メンバー個々人の知識や性格なども発露されやすくなることが期待できる。

少し考えるだけで、いろいろな効果がありそうだ。同時に、単純な仕組みの活用では、企業活動においては不都合もある。

たとえば、
・上長がまったく知らないところで密談をされても困る。
 =>企業組織にあった情報管理・情報公開が求められる。

・友人関係がコミュニティの人間関係では仕事に対しては非効率である。
 =>あくまで組織構造を機軸にして、コミュニケーションがなされるが、業務に応じて人間関係はダイナミックに変動する。

・使っていることが、仕事をさほっていると思われるイメージを排除しなければならない。業務の過程でデータを登録できる仕組みがないと、活性化しない。

等が挙げられる。

次回より数回にわたり、Enterprise 2.0の効果的な機能活用方法、活性化するための運用方法を紹介しながら、Web2.0技術の企業活動への適用の有効性を述べてゆきたいと考えている。

【当コラム執筆は、Looops Communications 取締役副社長の福田浩至が担当しています】


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