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マーケティング2008年10月20日 12:30
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言葉に依存しないレコメンデーションサービスを――行動履歴型レコメンドエンジンを提供するサイジニア

この記事のURLhttp://japan.internet.com/wmnews/20081020/5.html
著者:japan.internet.com 編集部
国内internet.com発の記事
Amazon.co.jp などの EC サイトで興味のある商品を閲覧していると、ふと「この商品を買った人は、こちらの商品も買っています」と表示された商品へ目がいき、そのままクリックしてしまったという経験はないだろうか。

これを可能にしているのが、レコメンデーションエンジン(推奨エンジン)という技術だ。ユーザーの購入履歴や閲覧情報から個人の趣味・趣向を分析し、それに関連したコンテンツを推薦する。

最近では、EC サイトをはじめ多くの Web サイトに導入されているレコメンデーションエンジン。そんな中、他社とは一味違ったレコメンドサービスを提供しているのがサイジニア株式会社だ。

今回は、サイジニア 代表取締役の吉井伸一郎氏に、同社が提供する“複雑ネットワーク理論”に基づく次世代ディスカバリーエンジン「デクワス」についてうかがった。

サイジニア株式会社 代表取締役 吉井伸一郎氏
右から、サイジニア株式会社 代表取締役 吉井伸一郎氏、
寒河江道博氏、谷島貴弘氏

●複雑ネットワーク理論に基づくレコメンデーション

吉井氏は、ソフトバンクコマース株式会社では研究開発センター長、その後、ソフトバンク BB 株式会社にて、ADSL などの通信技術、標準化活動に従事した後、北海道大学大学院 情報科学研究科 複雑系工学講座の助教授を勤め、2007年にサイジニア株式会社を設立した。

「弊社で提供しているディスカバリーエンジン『デクワス』は、探すのではなく“出くわす”という意味を込めてこのようなサービス名になっています。キーワードの入力を必要とする検索エンジンでは、自分の知っている言葉以外を探すことはできませんが、デクワスでは日頃の行動履歴から欲しい情報を導き出すことができます」

デクワスが、他社のレコメンデーションエンジンと違うのは、マトリクス演算によって類似度を評価する手法とは異なり、“複雑ネットワーク”という理論を活用してレコメンドしているという点だ。

複雑ネットワーク理論を応用したコミュニティ発見技術
複雑ネットワーク理論を応用した
コミュニティ発見技術

ユーザーの様々な行動履歴(ビヘイビア)を複雑ネットワークとして解析し、似た嗜好を持ったユーザー同士によってできるコミュニティネットワークを利用してレコメンデーションを行う。さらに、自律的学習・進化機能を備えることで、そこからクリックされたものだけを学習していき、レコメンデーションの精度を上げていく。

「通常の EC サイトでは、人気の商品はレコメンデーションすれば勝手にクリックされますが、それ以外の商品であるいわゆる“ロングテール商品”に関しては、ただ揃えているというだけで、レコメンデーションにはまだまだ対応しきれていない企業が多いと感じます」と、吉井氏。

例えば、「浜崎あゆみ」に関連した商品を買っている人は「宇多田ヒカル」に関連した商品も買っています、というような表示を見かけることがあるが、人気の商品同士を推奨しても、それらの商品はすでに認知度が高く、ユーザーにとってのインパクトは小さい。

「デクワスでは、EC サイトに登録されている十数万件の中からピンポイントに数件を推奨することも可能です。カテゴリータグやテキストエンジンでは抽出することができない作品も、ユーザーの傾向から割り出すことができます」

デクワスでは、ブックマークや商品購入、ページの閲覧などあらゆる行動履歴から、同じ嗜好を持ったコミュニティを見つけることができるため、ある商品を購入したユーザーと似た嗜好を持つ人にターゲティングしたり、あるいは、ある商品と同じような売れ方をする別な商品は何かを解析するような、マーケティングツールとしての利用も可能である。

●デクワスが採用されるシーンや導入事例は?

「デクワス」はサービス開始から半年余りで、価格比較サイト「coneco.net」や、オンライン DVD レンタルサービスの「ぽすれん」、海外の EC サイトなど国内外で約30のサービスに導入されている。

「10月8日より、ANA セールス株式会社様が運営する『ANA SKY WEB TOUR』にもご利用いただいております。同社はこれまで、システムが複雑なこともあり、オススメのツアーなど旅行商品の選定を人的に行っていました。そこに、弊社のレコメンデーションエンジンを採用していただき、マーケティングや商品選定などを一括で提供させていただいております」

デクワスでは、ユーザーが閲覧しているページの URL などの行動履歴からデータを抽出しているため、テキストやメタデータなどに依存することなくレコメンデーションを提供することができる。

「デクワスは、タグを貼るだけで導入可能な ASP という型で提供しております。過去に、データベースの連結において他社のレコメンデーションエンジンを導入するのが難しいという企業が、タグだけで導入できる弊社のメリットを評価いただき採用していただいた、という事例もあります」

●アウンコンサルティングと共同提案する「新しいマーケティング」

同社は7月23日よりアウンコンサルティング株式会社と販売提携し、「デクワス」を活用した新しいマーケティングサービスを共同提案している。

「アウンコンサルティング様と提携させていただいた理由としては、まず我々の顧客層とマッチした点。そして SEO に関して、外部対策だけでなく内部のサイト改善に関するコンサルティングも請け負っているため、ASP にて提供する弊社のサービスにご対応いただきやすいというのも大きなポイントです」

サイジニアではこれまで、単一サイトのレコメンデーションを提供してきたが、これからはコンバージョンも意識したクロスレコメンドサービスを展開していくという。

「今後は SEM の観点から訪問者を増やして商品を購入してもらうという、包括的なレコメンデーションサービスも提供していきたいと思っています」

●媒体に依存しない幅広い事業展開

「デクワスでは“誰が何をしたか”という行動履歴のデータを利用しているため、テキストマイニングは使用していません。弊社では、日本だけでなく世界でも事業を展開していきたいと考えているので、常に言葉に依存しないサービスを提供したいと考えています。言葉は時間が経つにつれて変わっていきますが、人間の行動様式はそう簡単には変わりません」

同社は現在レコメンデーションを中心に事業を展開しているが、自社のポータルサイトなどのメディアをはじめ、幅広い分野に行動履歴のデータベースを活用した事業を展開していきたいという。

「現在は、インターネットという媒体の上でサービスを提供していますが、今後はインターネットのみならず、リアルの世界でも弊社の技術を活用していければと思っています」

オフィスの壁には推奨エンジンを利用した展望図が貼られている
オフィスの壁には
推奨エンジンを利用した展望図が貼られている
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