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マーケティング2009年3月5日 10:00
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Web 担当者のよくある悩み、こっそり回答します

この記事のURLhttp://japan.internet.com/wmnews/20090305/8.html
著者:株式会社デジタルフォレスト 前野有美
国内internet.com発の記事
2008年の後半に引き続いて、2009年が厳しい年になることに間違いありません。2008年の国内広告費は前年比4.7%減、その内、新聞・雑誌・テレビ・ラジオの「マスコミ四媒体」が減少する一方で、インターネット広告は16.3%増の6,983億円(電通調べ)と、堅調さを示しており、今後もこの傾向は進むと考えられています。

売上に、より直結するプランや施策に予算が振り分けられているという結果は、企業の健全さを示す一つの指標ではありますが、そうはいっても、Web のご担当者からはよく、「いろいろやりたいけど予算的に厳しい。支出は最低限に抑えて結果は出したい」といった話を聞きます。当然ながら、何も無いところからリターンを得ることはできず、適切な投資をして、はじめて適切なリターンが得られます。

今回は、財政的に厳しい状況のもと、アクセス解析を用いて効果的にトップマネジメントを説得し、適切な予算を引き出すポイントについて書きたいと思います。

アクセス解析から読み取る 3C を戦略に活かそう
トップマネジメントを説得する上で数字は有効に働きますが、「検索ワード」や「退出ページ」、「接続元ドメイン」といったアクセス解析用語と数字を羅列しただけでは、経営や事業を推進する上でどの数字が何に役に立つのかがよくわかりません。つまり、それを聞いたところでトップマネジメントとしてのアクションを取れないのです。トップマネジメントにとって重要な仕事の一つは、戦略的意思決定を行うことです。ですから、意思決定に必要な情報、つまり数値とそれに伴う施策を提供することが必要です。

ちょっと頭の中を整理するために、フレームワークを用いてみましょう。3C というフレームワークはご存知でしょうか。3Cとは、「顧客(Customer)」、「競合(Competitor)」、「自社(Company)」を指します。この3つの視点とアクセス解析をどのようにつなげて戦略的意思決定に活かすかについて、お話しします。

戦略的な顧客視点を持つ
アクセス解析は、上記 3C のうちの「顧客(Customer)」、つまり、ユーザー・ニーズを吸い上げ、Web を最適化するのに役立つものだと一般的に捉えられています。例えば、「何人のユーザーに興味を持ってもらって、そのうち何人のユーザーの動機付けに失敗し、何人のユーザーが購入してくれたか」といった検証に用います。本来、離脱してほしくないページでの離脱が多ければ、その対策として、そのページから更に回遊してもらえるようにリンクを設定するなどの Web の最適化を行います。

しかし、Web の最適化と戦略的意思決定は別の次元にあります。戦略とは、簡単に言えば「差別化」であり、「競争優位を構築すること」です。同じ顧客の視点を持つにしても、戦略的思考を持って、顧客のどのニーズにフォーカスするかを検討しなければなりません。アクセス解析の分析において、例えば、あるサービスへの流入や PV が非常に多い時、「人気があるのでこのページをさらに詳しく作りこもう」という判断をすることがあるでしょう。しかし、これは、トップマネジメントの戦略的意思決定に活かすには片手落ちです。

競合の視点から考える
そこで、競合を調べてみたところ、実は似たようなサービスを展開しており、客観的に見て自社のサービスが劣勢だとわかったとします。この場合は、サービスの説明を詳細にすれば良いのではなく、ユーザーにとって「意味のある違い」を創出してサービスを展開しなくてはならないという判断に至ります。

このように競合の動向を知るきっかけとなるアクセス解析の代表的な指標が何か、ご存知でしょうか。そう、「接続元ドメイン」。「接続元ドメイン」を見ると、どのドメインのユーザーからアクセスがあったかわかります。競合会社のドメインからのアクセスも把握できます。商品やサービスを展開しようとした場合、他社が同じことをやっていないか、調査しますよね。その際の格好の情報源がWebサイトであり、接続元ドメインをキーとしてどのページが見られているかを把握すれば、Web サイトにアクセスしてきた競合の興味や今後の動向を推測することができます。

では、自社のサイトに競合の訪問が無い場合はどうでしょう。類似した商品やサービスがまだ世の中に存在していないということも考えられますが、自社のブランド認知が低くて競合とみなされていない場合もあります。ここは冷静に自社の立ち位置を分析したいところです。

戦略的な自社視点を持つ
最後に、「自社(Company)」の視点を取り入れます。自社を知るということは、自社の経営資源を分析して、その強みや弱みを知るということです。競合との差別化を図ろうとして、自社が不得意な分野にリソースをゼロベースから築くのは効率的ではありません。さらに、その差別化が、実は模倣が簡単なものだとすると競争優位を築ける期間が短いため、充分な利益が得られないかもしれません。

このように、自社の経営資源を考慮して、勝ち目が無いなら撤退です。大事な資源は他に振り分けた方が良いという意思決定をすべきです。

自社を知る上で役立つ指標の一つとして挙げられるのが、ユーザーが検索に使う「検索ワード」です。例えば、いくら経営側が、「うちはコンサルティング会社だ」と主張したところで、検索ワードにコンサルティングやそれに類似するワードが含まれないなら、その分野への進出は客観的に困難ということが推測できます。誰もあなたの会社がコンサルティングの会社だと思っていない、という事実を突きつけられたことになります。

孫子の言葉を借りるならば、“彼を知りて己を知れば、百戦して殆うからず”このように、3C の視点を持つことで、戦略を構想することができるようになります。

財政的に厳しい状況であっても、企業は選りすぐりながら投資を行います。このような状況下で自身のプランが採用されるために、アクセス解析は強力な武器となります。そして、アクセス解析の数字を戦略的志向をもって語ることができれば、トップマネジメントに対しての説得力が増すことうけあいです。

今回ご紹介したのは、私どもが持っているノウハウのほんの一部ではありますが、是非、日々の業務の中でお役立ていただきたいと思います。

(執筆:株式会社デジタルフォレスト コンサルティング部 部長 前野有美)

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