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現状のままでは、SaaS の今後の普及は期待薄――矢野経済研究所が報告矢野経済研究所は、国内企業677社に対し「IT アウトソーシングサービス」に関する調査を実施、2009年7月8日、調査結果を発表した。調査期間は、2008年12月〜2009年6月。
まず、オンラインサービスの提供形態別の利用状況では、最も回答率が高かったサービスは、「ASP」の13.7%であり、「共同利用型システム」7.5%、「SaaS」2.2%と続いた。近年多くの IT ベンダーが SaaS への取り組みを開始しており、新しいサービスとして注目されているが、現実的には SaaS を導入しているユーザー企業は、まだわずかという結果であった。 なお、回答数は少ないながらも SaaS をすでに利用していると回答した企業に「現在利用している分野」を質問したところ、SFA(Sales Force Automation)などフロント系システムでの利用が多いという結果であった。 「今後の SaaS の利用意向」では、最も多かった回答は「なし」の83.9%であり、「あり」は10.8%であった。多くの企業が「今後の SaaS の利用意向」はないと回答しており、「あり」の回答は1割程度に留まった。多くの IT ベンダーが取り組みを開始しているものの、現状のままでは、今後の SaaS の普及には大きな期待はできないという結果であった。 なお、回答数は少ないながらも「あり」と回答した企業を売上高規模別に集計した結果では、大手企業において「あり」の回答構成比が高く、企業規模が大きいほど利用意向が高いことがわかった。中堅中小企業を SaaS の提供先として想定している IT ベンダーも多いが、ターゲットの再考をする必要があるとも考えられる。 また、同じく回答数は少ないながらも「あり」と回答した企業に「今後 SaaS を利用する分野」を質問した結果では、「ERP(Enterprise Resource Planning)」という回答が2番目に多く、ユーザーは基幹系システムにおける利用も検討しているという結果であった。今後 SaaS を利用できる条件を整えることができれば、基幹系においても SaaS が普及する可能性が高いと考えられる。
SaaS を利用しない理由としては、「コスト面のメリットを感じられないから」が最も多く、回答構成比は30.4%であった。次に「機能面に乏しそうだから」と「カスタマイズ性に乏しそうだから」が8.6%、「セキュリティ面が心配だから」8.5%、「操作性」と「IT 部門がノウハウを蓄積できなくなるから」が8.1%と続いた。 SaaS は従量課金型の料金体系であり、使用した分にしか課金されないため、コスト削減効果があると言われている。しかしながら、同調査ではユーザー企業の多くが、SaaS の導入によるコストメリットを感じられないと回答した。 このようにユーザーの多くがコスト面のメリットを感じていないのであれば、提供ベンダー側は、ユーザーへの訴求方法を見直す必要があると考えられる。 関連記事
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