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2009年7月16日 11:00

集客で満足はもったいない!サイト訪問者が回遊する秘訣

前回、「まずはサイトへ集客、アクセス解析で分析しよう!」と題して広告などからの集客に関して、その分析方法をお話しました。今回はその続編として、集客した訪問者をいかにサイト内で回遊させるか、をテーマにお話しいたします。

回遊とは、直帰させない、PV を増やす、滞在時間を増やす、など色々な考え方がありますが、一言で定義すると「閲覧して欲しいページをより多く閲覧してもらうこと」です。

なお、ここでは滞在時間は回遊の定義には含めていません。なぜなら、滞在時間はあくまでのコンテンツ単体での興味深度およびその積み上げなので、ユーザー導線の設計や重要ページへ誘導するといったユーザー行動にフォーカスした考えとは別個に考える必要があるからです。まずはこの定義を踏まえた上で話を進めて行きましょう。

直帰率が高い=回遊性の低いサイトなのか?

直帰率は回遊性を判断する上でとても重要な指標です。では、直帰率が80%のサイト(A)と30%のサイト(B)、あなたはどちらのサイトの回遊性が高いと言えるでしょうか?「直帰率80%なんて、どうしようもないサイトじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、実際のところ直帰率だけではそのサイトの回遊性を判断する事は不可能です。

以前私がコンサルティングを行ったある企業では、直帰率80%というサイトがありました。しかしながら、実際にはポイント獲得目的で訪れたアフィリエイト流入が相当数あり、そのほとんどが直帰していたのです。

そこで、これらのアフィリエイト流入を除いて計測したところ、直帰率は約20%であることが判明したのです。もし、(B)のサイトが広告などを全く出稿していない自然流入だけのサイトだとしたら、回遊性としては(A)の方が優れていると言えます。

では、どのように回遊性を判断すればよいのでしょうか。それは特定の指標に頼らない多面的な判断が重要だという事になります。以下に回遊性を判断するための指標の一例を以下に挙げてみました。

・進入ページ別直帰率
・リンク元ドメイン別直帰率
・5ページ以上閲覧率
・重要ページ到達率
・1訪問あたり平均閲覧 PV 数 等

サイトの回遊性は以上のような指標を多面的に見ることにより、正しく判断する事ができるのです。例えば、ある不動産会社の事例を挙げてみましょう。

このサイトは下図のように TOP ページから物件詳細ページへ至るまで少なくとも5ページ以上閲覧しなくてはなりません。もしこのサイトにおける主要な入口が TOP ページであるならば、「5ページ以上閲覧率」という指標が非常に重要となります。つまり、訪問ユーザーの何パーセントが“閲覧して欲しいページ”を閲覧してくれているか、という冒頭で定義した回遊性を計ることができるのです。

ある不動産会社サイトのページ遷移の図
ある不動産会社サイトのページ遷移の図
*クリックして拡大
直帰率を改善するための3つの課題

さて、ここからは実際に回遊性を高めるための手法について話していきたいと思います。まずは直帰率についてもう一度考えてみましょう。主な直帰の原因は以下の3つです。

1.リンク元(広告媒体)の問題
2.ランディングページの問題
3.リンク元(広告媒体)とランディングページの関係性

このように直帰の要因は、「リンク元(広告媒体)」と「ランディングページ」という2つの問題およびその関係性に集約されるのです。このうち広告媒体選定やランディングページの課題等については、これまで多くの書籍やコラム等で紹介されてきているので今回詳細については触れませんが、ここではリンク元とランディングページの関係性について、詳しく述べていきたいと思います。

さて、かつて私がある求人サイトの Web マスターをしていた頃、広告バナーとランディングページの関係性について徹底的に調査した事があります。バナー広告のデザインやリスティングのクリエイティブ文言、そしてそれに紐付くランディングページのキャッチコピーやタイトルバナー、ボタンデザイン等、色々な組合せを作成し、最も直帰を減らす関係性を探っていました。

そうした繰り返しの実験によって分かった事は、広告とランディングページの関係性においては「ストーリー性」が非常に大切である、という事でした。当たり前のような事ではありますが、広告に対する消費者行動「AIDMA」における「Attention(注意)」から「Action(行動)」に至るまでの行動心理を本当に消費者の立場に立って考える事は意外と難しいものなのです。

ストーリー性を意識して回遊を高める

「広告のクリエイティブとランディングページの整合性が重要」などとよく言われますが、私は以前この「整合性」の意味を誤解してしまい、ある失敗を犯したことがあります。ここで言う「整合性」とは、いわゆるストーリー性という意味であって、単なるワーディングの合致やデザインの統一性ではありません。

私が犯してしまった失敗とは、広告のクリエイティブとランディングページの中身を酷似させてしまったため、直帰率が増えてしまったという事象です。何故そのような事が起こるのかはユーザーの立場に立って考えれば容易に理解できるでしょう。

つまり、ランディングページの中身がユーザーの期待に応えられなかったということです。広告を見て注意を払ったユーザーが折角サイトに訪れても、ランディングページで同じコンテンツを見せられるだけでは興味喚起どころか、落胆して直帰してしまいます。

これは、広告バナーなどに情報を詰め込みすぎた場合も同様です。当然ながらユーザーは広告で得られる以上の情報をランディングページに求めるので、特にキャンペーン用のランディングページなどへ誘導させる場合は注意が必要です。

そのため、広告におけるキャッチコピーは非常に重要です。あなたがもし Web 広告を運用する担当者であれば、まずは広告がシンプルで分かりやすいキャッチになっているかを再度見直してみて下さい。あなたの会社のことを全く知らないユーザーがそれを見て何らかの期待を抱くかを考えてみましょう。

さて、その広告のランディングページを見てユーザーはどう思うでしょうか。先程の期待に応えられたでしょうか。そして更に新たな期待を抱くような内容になっているでしょうか。このような事を真剣に考える事が「ユーザーの立場に立つ」と言えるのです。

コンバージョンプロセスへの誘導

これまで直帰率について中心に話をしてきましたが、最終的にコンバージョンを増やすためには、コンバージョンの入口への誘導を増やさなければなりません。これを「コンバージョンプロセス(以下、CV プロセス)への誘導」と呼びます。この誘導手法については色々ありますが、今回はキラーコンテンツを活かした CV プロセスへの誘導手法についてお話しします。

キラーコンテンツとは、「そのページを閲覧した後に CV プロセスへの遷移する割合が多いページ」のことを言い、言い換えるなら「そのページへの誘導を成功できればコンバージョン率が上がるページ」となります。そのためには、下図のようにより多くのページから誘導させる事が大切です。

CV プロセスへの誘導
CV プロセスへの誘導
*クリックして拡大
例えば、キャンペーンページや検索ページ、あるいはそのサイトの魅力を最も表現しているページなど、サイトの目的や性質によって様々ではありますが、これらはアクセス解析によって発見することができます。もしあなたがアクセス解析ツールを使い、ある特定のページにおける CV プロセスの遷移率が非常に高い事を発見したならば、そのページが「キラーコンテンツ」となります。

このキラーコンテンツが発見できれば、あとは前述のストーリー性を考えてユーザーをそのページへ誘導することに成功すれば、おのずと CV プロセスへの道筋が見えてくるでしょう。

今回は「回遊」をテーマに具体的な手法や成功・失敗事例などをお話しました。次回は、アクセス解析を活用したコンバージョンアップのためのコツについてお話したいと思います。

(執筆:株式会社デジタルフォレスト Web コンシェルジュ 山田直之)


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