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緊急調査!「どうなる?100円ビール後のプライベートブランドとナショナルブランド」■100円ビールなどで、再び注目を集めているプライベートブランドの動き
生活防衛、巣籠り、「ウチ飯」などが強まる消費動向において、セブンプレミアムやトップバリューなどの流通系プライベートブランド(以下 PB と言う)が着実に生活に浸透してきている。 小売業不振の中でも PB は一層拡大しており、タブー視されていたビールの100円 PB も販売され、その直後に「キリンホールディングスがサントリーホールディングスと経営統合に向けた交渉に入った」と発表されたこともあり、改めて、プライベートブランドの今後の動向や、それに対するナショナルブランド(以下 NB と言う)の動向が注目されている。 このような情勢下、PB の購買経験者に的を絞り、PB と NB を使い分ける消費動向実態とその理由、PB および NB への期待、要望、不満、さらには具体的な新商品のウォンツを明らかにし、今後の PB と NB のあり方の手がかりを得るために、楽天リサーチ株式会社と株式会社ワールド・カフェが「今後のプライベートブランドとナショナルブランドについて」共同調査を実施した。 ■生活者の「インサイト」に注目した新しいマーケティング調査と分析 情報過多が一層進行する中、企業からの一方的な広告は敬遠されつつあり、生活者はネット等を活用し「信頼と同好」に基づく情報を自ら収集するようになっている。また、その結果、従来の AIDMA(興味→関心→欲求→記憶→行動)的な、企業からの広告を前提としたような購買行動プロセスでは捉えきれなくなってきている。 マーケティング調査においても、従来の手法では、変化している生活者の実態を捉えることが難しくなっており、フィリップ・コトラー氏も次のように語っている。 「今までは顧客の調査を重ねれば、『顧客の目線』で物事が見えてくると考えられてきました。しかし何百ページものマーケティング報告書は、読みきれない大量のデータを集めているだけで、それを見て顧客のことがわかったつもりになっていた。(中略) 双方向のインターネットの登場によって、そういう時代は終わりを告げました。顧客に『なぜこの商品を買ったのですか?』とたずねても正解はかえってこない。 顧客自身が答えに気づいていないからです。現代のマーケティングは、どれだけ顧客の深層心理に迫れるかの勝負です」(日経ビジネスマネジメント 2008.12記事抜粋) 今回の調査にあたっては、従来のように企業側の作った仮説に基づいて調査をするのではなく、生活者の「インサイト」(深層心理の欲求)に注目し、その「気づき」から仮説を立てるという、新しい手法によって実施した。下図のように、購買プロセスの変化に対応して、 「ソーシャルインサイト」から「コンシューマーインサイト」までの生活者インサイトを「見える化」したのがポイントだ。 具体的には、Blog 記事、ニュース記事、検索トレンドなどから、時代の気分や雰囲気である「ソーシャルインサイト」を分析し、消費行動のベースとなる「コンシューマーインサイト」の仮説を立て、その仮説に基づいたアンケートを実施して、テキストマイニングも活用して生活者インサイトを「見える化」し、定量×定性のクロス分析によって、精度を高め、より生活者の深層心理に迫った。 ■ソーシャルインサイト 下の表は、2004年1月1日から2009年7月14日までの「PB」の検索回数の推移を示したものである。昨年以降、PB 拡大に関わるニュースの増加と共に右肩上がりとなっていることがわかる。 次に、2007年6月1日から2009年7月14日までの PB に関わる Blog 記事件数の推移を見ると、昨年より上昇基調にあったが、6月以降、トップバリューやセブンプレミアムの記事件数のトレンドをかなり上回るペースで急増している。 PB に関わる Blog 記事のトピックスの推移を見ると、昨年は、PB の台頭とその仕組み、および2強のトップバリューとセブンプレミアムについての話題が中心であったが、今年になって、PB の値下げと拡大が話題となり、最近は、メーカー・NB との関係の話題へと変化してきている。 この他、様々な切り口から PB のソーシャルインサイトを分析した結果、消費不振の中、流通業大手は PB を一層強化しており、節約志向を強める生活者への着実な浸透が進んでいるが、一時的な現象ではなく、PB に対して「低価格」以外に関する要望も出てきており、NB との比較にも関心が大きくなっているということがわかった。 ■コンシューマーインサイト このようなソーシャルインサイトに基づいて、2009年7月6日に楽天リサーチのインターネットによるアンケートによって、PB のコンシューマーインサイトについての調査を実施した(分析対象は、プライベートブランドを3か月以内に買ったことがある 北海道と関東地区に住む20代〜60代の男女300名)。以下、調査および分析結果の抜粋である。 節約については、「昨年より節約している」が6割を超える中、約6割が節約のために実行していることとして PB の購入を上げているが、約4割が「賢い選択をしているという良いイメージ」で PB を購入しており、「仕方なく購入している」は4%弱のみで、今後、景気が良くなったり、収入が増えた場合でも、PB の購入が「増える」が3割弱、「変わらない」が7割弱で、「減る」は6%のみとなっている。 「PB に対するイメージ」をブランド別に見ると、トップバリューは「安い」、「種類が豊富」。セブンプレミアムが「品質が高い」、「美味しい」。CO-OP が「安心」、「安全」とブランドによる特徴が明確に出た。 PB と NB の選択については、「PB と NB があれば、比べてから購入する」が5割超となっており、「PB があっても NB を購入する」は1%のみ。購入を決定する理由は「価格」が最も多いが、それ以外でも「品質」、「安全・安心」、「信頼感」、「品揃え」が重視されている。 PB に対する要望は「品揃え」を増やしてほしい。急激に拡大している PB だが、まだ品揃え拡大のウォンツが大きい。不満は、「味」、「デザイン」、「パッケージ」。シンプルな包装でコストを削減している PB だが、生活者の不満ともなっており、改善の余地あり。一方、NB に対する期待・要望は「値段を下げる」のほか、「特徴」、「信頼」、「安心」で、 不満は、 「値段が高い」であることから、価格に対しての NB ならではの「特徴」、「信頼」、「安心」が重要 と考えられる。 次に PB の購買頻度とロイヤリティで下記のように生活者をグルーピングして、それぞれの意向について、分析した。 ・お得意様= PB を「大変気に入っている」、「まあ気に入っている」で、週1回以上購入 ・ファン= PB を「大変気に入っている」、「まあ気に入っている」が、月2〜3回未満の購入 ・ご近所= PB は「普通」、「あまり気に入っていない」、「全く気に入っていない」だが、週1回以上購入 ・一見さん= PB は「普通」、「あまり気に入っていない」、「全く気に入っていない」で、月2〜3回未満の購入 その結果、グループによって意向が違っており、「PB、NB に対する期待・要望・不満」について、「お得意様」は、「商品」、「品数」を増やして欲しい。「国産」などにこだわって欲しい。「ファン」は、「品質」、「イメージ」、「環境」、「健康」。「ご近所」は、「品目」「多い」、「美味しい」。「一見さん」は、「味」、「デザイン」という結果が出た。 新商品で欲しいものについては、PB は、「ビール」、 「化粧品」、「家電」で、PB に特徴的なのは、「化粧品」と「美味しい」。NB は、「食品」、「思いつかない」、「下着」、「ビール」で、NB に特徴的なのは「食品」。それぞれに要望が強いものに対しての取り組みを強化することが重要と考えられる。なお、話題を集めている「ビール」は両方で高いランクとなっている。 ビールについては、PB が発売され話題となっているが、 「PB をまだ試していないもので、購入してみたいもの」と 「今後も PB で購入するつもりが無いもの」においても、両方で高いランクとなっており、ビールが、PB に対する消費行動の試金石になると思われ、今後、その動向は PB やあらゆる NB にとって 注目する必要がありそうである。 グループ別では、「お得意様」は 「缶詰」、「肉」などの食品、「電球」、「プリンタ」などの「家電」や「バッグ」。「ファン」は、「家電」、「下着」。「一見さん」は、「食品」、「ビール」。「ご近所」は、新商品に対する要望が少ないという結果が出ており、グループによって異なっていることから、今後は、ターゲット別の取組み戦略も必要と思われる。 以上のように、生活者の「インサイト」(深層心理の欲求)に注目して、Blog 記事、ニュース記事、検索トレンドなどから、「ソーシャルインサイト」を分析し、その気づきから「コンシューマーインサイト」の仮説を立てた上で、インターネットによるアンケートを実施し、定量と定性をクロスさせて、「見える化」した。 生活者の情報収集行動や購買行動のプロセスの変化に対応した、新しい調査・分析手法として、今後も精度を高めていきたい。 執筆:株式会社ワールド・カフェ 代表取締役 笠原 造 監修:株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表取締役 斉藤 徹 関連記事
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