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2009年10月6日 09:00

SEO、リスティング…基本を徹底実践した Web マーケティングでコスト削減と会員拡大を両立―リクルートエージェント マーケティング部門の取り組み

マーケティング予算が削減傾向にある中、Web マーケティングとマス広告をバランスよく効果的に併用することにより、コスト削減とビジネス拡大を両立させている企業がある。リクルートグループで人材斡旋ビジネスを扱うリクルートエージェントも、Web マーケティングを効果的に使ってきた。

株式会社リクルートエージェント 経営統括ユニット マーケティング企画部 部長の青葉哲郎氏に、同社のマーケティング部門の取り組みについてうかがった。

● マスで「認知の拡大」、Web で「誘導、離脱防止」

株式会社リクルートエージェント 経営統括ユニット マーケティング企画部 部長 青葉哲郎氏
リクルートエージェント
経営統括ユニット
マーケティング企画部
部長 青葉哲郎氏
一般的には、Web マーケティング部門と広告購入を取り仕切る部門は、分かれていることが多い。そのような組織では、セクショナリズムに陥り、効率的な協力関係は築きにくいものだ。

リクルートエージェントでは、ブランディング、広告、リスティング掲載、アンケート、サイト周りなどを1部門で包括的に取り扱うことで、統合的なマーケティング活動を実現している。

基本戦略は、マスで「認知の拡大」、Web で「誘導、離脱防止」を行うというもの。

人々に忘れられないためには、マス広告の効果は絶大だ。一方、無駄のない会員獲得には、SEO やリスティングでのキャッチは欠かせない。両者のバランスを確保するためには、部門間で競争させるよりも、1部門で扱うことが好ましいというのがマーケティング企画部の現在のスタンスだ。

● LPO は接客のようなもの

Web マーケティングにおいては、基本を徹底的に実践したことが成功につながっているようだ。その4つの柱は、「リスティング広告」、「SEO」、「広告購入」、「サイトリニューアル」となっている。どれも Web マーケティングの基本中の基本だ。

リスティング広告の購入では、7万ワードを購入、1万種類の広告コピーと100ページのランディングページを用意しているという。これらを最適化することで、最終的にコストを4分の1まで下げることに成功したそうだ。

具体的には、時間帯別や曜日別に区切って購入したり、ワードの組み合わせを細分化するといった最適化が行われた。

例えばビジネスタイムに職場で転職サイトを見ることは、軽い気持ちで見たい人にとっては周囲に誤解を与える恐れがある。このような時間を避けて購入すれば、コストは下げることができる。

ワードは、職種、資格、エリア、業界用語といった種類の各ワードと「転職」というワードを組み合わせたものを選定することで、ビッグワードの購入よりも単価を下げることに成功している。

ワードの最適化によりコスト削減と登録数の増加を両立
ワードの最適化によりコストを削減
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LPO(ランディングページ最適化)も徹底して行った。「LPO は接客のようなもので、お客さんに合わせることが大事」と青葉氏は言う。

細かいところでは、Yahoo! JAPAN と Google では、利用者も利用シーンも異なり、ランディングページの効果は違う。流入ワードだけではなく、流入元の検索エンジンまで考慮した細かな LPO では、100ページものランディングページを用意した。「顕微鏡のように細かく見ていくことが大事」(青葉氏)とのことだ。

● mixi と組んだリターゲティングで10倍の登録数

SEO では、ワード「転職」で25位から5位近辺まで順位を上げることに成功している。SEO に関してはよく言われている基本を忠実に行っているようだ。内部施策では、構造をしっかりと整理整頓させ、外部施策としては外部リンクの質と量を高めたとのこと。

ちなみに「転職」ワードで検索結果が2ページめ1ページめの掲載となることで、流入が150%増加したという。

ネット広告の購入に関しては、代理店は1社に集約し、MSN や mixi とのパートナー連携を強化。アフィリエイトに関しては中長期的な展望から、購入しなかった。取り扱うのが商品ではなく「人材」であるため、イメージ的な理由から購入しないとの判断をしたようだ。

mixi では、プロフィールに合わせた広告表示や転職関連のコミュニティへの広告出向など、定番の施策で単価を下げることに成功したほか、リターゲティングにも力を入れた。

一度、リクルートエージェントのサイトを訪れた人を、例えば、エントリーフォームまで進んだが登録してない人、あるいは検索からアクセスした人など、6種類のクッキーでターゲットを6種類に分類、クッキーごとに mixi 上でのアプローチを変えたという。

特にリクルートエージェントのサイトへの来訪時にエントリーフォームまで進んで登録しなかった来訪者に、mixi 上で適切なキャッチコピーでエントリーを促したところ、登録者数が10倍になるという驚くべき結果が現れたという。

訪問回数と登録の関係
訪問回数と登録の関係
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「5,000円ほどまでの消費財ではこれだけの成果は出ない」(青葉氏)とのことだが、同社においては登録率は2回目以降のほうが高くなっているそうだ。特にコンバージョンまでに検討を必要とするケースでは、再来訪を促す工夫は他業種でも重要な施策といえよう。

● エントリーフォームを2ステップ化

最後にキャッチへの最終局面であるサイトのリニューアルだが、「誘導力の強化」に主眼を置いて行われた。具体的な施策としては、CMS を導入したほか、SEO 対策を強化、メールマガジンを用意し、レコメンド機能も採用。離脱対策のひとつとして、グローバルナビには「お問い合わせ」の窓口が設置されている。

ユーザビリティも大幅に改善、サイズを1.5倍にワイド化したほか、成功事例へのリンクをトップに置くことで、アクセスしやすくしている。

エントリーフォームを2ステップ化している点は特徴的だ。フォームは1画面で入力が終わるのが一般的だが、2画面に分けて入力しやすいものだけを先に入力してもらうことで高い効果を上げているという。

「たくさんの人に見てもらって、離脱を防ぐということを会社一丸としてやった」と青葉氏は述べる。リクルートエージェントでは、Web マーケティングの教科書のような施策が、丁寧に、徹底的に行われることで、コストの削減と会員数の拡大が成し遂げられているのだ。

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