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2009年11月4日 10:00

「戦略的 WebPR」の実践メソッド(5)〜ネットを活用した戦略 PR のしかけ方〜

今回は、消費者の購買行動の4つのステップ「気づく」、「わかる」、「比べる」、「買う」のうち、3つめの「比べる」ステップの施策について説明しよう。

「比べる」とは、他商品と比べて、自社商品の優位性を訴求するプロセスを指す。商品の特長を理解した後に、消費者は他商品との比較を行う。この際に消費者に自社商品の優位性を伝達し、理解してもらう必要がある。

ただし、「比べる」は、消費者の自発的な行為であるため、結論をコントロールするのは難しい。そこで、「こういう判断軸で比べるといい」という比較の基準に影響を与え、それに見合った好ましい情報の提供する、つまり「回答の提示」を行うことが効果的である。

旅行会社の海外パックツアー商品を例に説明しよう。

PR の対象となったのは、リーズナブルな価格が売りの若者向けの海外パックツアー商品である。調査したところ、ターゲット層における認知も高く、また理解も十分であったことから、「比べる」のステップがカギを握っていることが判明した。

とすれば、やるべきことは、ターゲットへの「判断軸の提供」である。この商品の最大の特長である「安さ」を訴求するためにも、「価格」という判断軸の重要性を訴えかける必要があった。

そこで用意したのが、「若者は安く、賢い旅をしよう」というメッセージだった。それをターゲット層が接触するメディアに応じて「学生時代の海外旅行は質よりも量!」や「複数の国への海外旅行経験が人間形成において重要だ」などの切り口で情報を発信し、「旅行は安いほうが良い」というメッセージの浸透を図った。そしてターゲット層の判断軸が「価格」へとシフトするようにうながしたのである。

「価格」を重要な判断軸として認識すれば、消費者はいちばん安いところを探そうとする。そこで、比較記事やレビュー記事というかたちで、メディアを介して情報を発信することが効果的である。

例えば、複数の旅行会社の海外パックツアー商品を並べて、「この夏の海外旅行、あなたは貧乏旅行派?贅沢旅行派?」といったテーマで企画を立てて、メディアの方に提案する。

このように、「比べる」ステップで重要なことは、購入の判断軸を提示し、その判断軸に沿って、優位となるメッセージを確実に届けることである。そのためには、「レビュー記事提案」という手法が効果的である。

この「レビュー記事提案」の場合は、編集者や記者への提案のポイントが「メディア向け企画」とは少し異なる。企画資料の構成(タイトル、概要、背景、構成案、提供できる素材)は同じでかまわないが、メディアの方の判断ポイントが違ってくるため、重視すべき項目を変えなくてはいけない。

「メディア向け企画」では「タイトル」と「概要」が重要なポイントだったが、「レビュー記事提案」では「背景」が最大の判断ポイントとなる。読者から、どうしていまその商品に注目したのか、と問われるからだ(「読者が興味や関心をもつ記事を発信したい」と考えているメディアの方にとっては、「読者がどう感じるか」が最大の判断基準のひとつである)。

それゆえ、「なぜいまその商品をレビューする必要があるのか」、あるいは「なぜいまその機能に注目する必要があるのか」の目線で、「背景」に関する補足データなどを用意して、充実しておく必要がある。


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