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「企業のインサイト」を打ち出すサイト企画■新サイトの企画開発ストーリー
前回のコラムでは、住宅用内装金物の企画・開発・販売を行っているアトムリビンテック株式会社が12月1日にオープンした「インテリアファン.com」の概要について紹介した。 このサイトは、単なるインテリアファンが集まり会話を楽しむだけの SNS ではなく、生活空間にこだわりを持つインテリアファンに様々なライフスタイルや、職人やデザイナーなどの「インテリア職人」を紹介し、アートと職人の技を住まいに取り入れるコンシェルジュサービスを無料で提供するというものである。 ネットを活用して、職人という伝統的な世界と一般の生活者を結び付けることにより、「作り手」と「使い手」の対話によるマーケティングを実現する非常にユニークなものであり、今後、このサイトと連動して、「インテリア職人ギャラリー展」などのインテリア関連イベントやセミナー、ワークショップなども開催し、日本のモノづくりの技を活用して、理想のライフスタイル実現をサポートしていくという。 今回から数回にわたり、この「インテリアファン.com」の企画開発ストーリーについてレポートすることとしたい。 ■サイトの特徴はどのようにして生まれたか? このサイトには、下記のような特徴がある。 (1)「インテリア職人」の参加 インテリア関連の各分野において技術力やデザイン力を生かした“モノづくり”ができるメーカーやデザイナーなどの「インテリア職人」が参加している。 (2)写真をキーとしたコミュニケーション ユーザーや「インテリア職人」が自分のお気に入りのスタイルや製品の写真画像を投稿することによって、ユーザーは、様々なスタイルの写真を見て、自分の理想のライフスタイルや製品をみつけることができ、自分とセンスや好みが近いユーザーや「インテリア職人」をみつけることができる。 (3)リアルな場やイベントとの連動 「住まいの飾り職人ギャラリー」が利用でき、実際に「インテリア職人」の製作する製品を注文したり、職人が製作したこだわりの製品を購入することができる。「インテリア職人ギャラリー展」などのイベントやセミナー・ワークショップなどにも参加し、体感しながらインテリアやライフスタイルについて学べる。 いずれも他のインテリア関連サイトと差別化するものであり、このサイトの肝となっている部分であるが、これらの特徴がどのようして生み出されることになったかという経緯について、ひとつずつ解説していきたい。 ■「企業のインサイト」とは何か? 生活者参加型コミュニティについては、企業および生活者双方の目的や期待する成果を両立させることが重要である。 今までこのコラムで述べてきたように、生活者の目的や期待する成果については、企業側の思い込みでつくるのではなく、ブログ分析、アンケート調査、デプスインタビューなど様々な角度からの分析調査を基にしてターゲットのペルソナ像をつくり、そのペルソナの心に刺さるインサイトを明らかにして策定することができる。 一方、企業の目的や期待する成果については、プロジェクトのプランをつくる際に、SWOT などの環境分析、経営戦略における課題や想定している打ち手などから設定する。しかしながら企業の目的や期待する成果の基になっている、いわば「企業のインサイト」は如何だろうか? 「企業のインサイト」をひも解くには、経営戦略や経営方針のみではなく、その企業の創業からの歴史や経営理念および企業風土を理解することが重要だ。 ■企業史、経営理念、企業風土から 「インテリアファン.com」を運営するアトムリビンテックは、1903年に、江戸指物(鏡台、茶箪笥、長火鉢など)の金具職人によって創業されている。社訓の「独り歩きのできる商品づくり」は、創業者の遺した言葉に基づくもので、販売に際して、巧言令色や誇大な表現を添えずとも「ひと目でその価値が相手に伝わる商品」を指している。 このように職人によって創業された同社は、現在でも「住まいの飾り職人」を標榜しており、経営理念は、「「住まいの飾り職人」がつくり出す独創的な商品で、社会の発展に貢献します」ということである。 また、同社は住宅用内装金物を様々なインテリア関連企業に販売していることから、全方位型で各分野のインテリア関連企業とのネットワークを築いている。 ■生活者との関係性構築のために 同社のこのような企業史、経営理念、企業風土から、「インテリアファン.com」は、ユーザーと同社のみではなく、様々な分野の「インテリア職人」に参加してもらうことにしたのである。 生活者は、商品やサービスを単体ではなく、それらを提供する企業との関係性において見るようになっており、生活者からより信頼され選ばれるためには、関係性構築がますます重要になっている。 生活者と対話するためには、企業側から自社のインサイトを理解してもらうようにメッセージやキーワードを発信していくことが欠かせなくなっている。 執筆:株式会社ワールド・カフェ 代表取締役 笠原 造 監修:株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表取締役 斉藤 徹 関連記事
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