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2010年1月18日 10:40

ソーシャルメディアマーケティングの成否を左右するペルソナづくり

■ペルソナづくりに欠かせないデプスインタビュー
前回のコラムで、ソーシャルメディアマーケティングは、生活者の主体的な参加が大前提であることから、生活者の情報・購買行動やその行動を起こす原因となるインサイト(深層心理における願望や欲求)を理解した上で行なうことが重要であると述べた。

生活者は、心に刺さるものでなければ主体的に参加しないし、情報行動や購買行動を促進するものでなければ、ソーシャルメディアマーケティングは期待する成果を生み出せないからである。

ソーシャルメディアマーケティングに関わる関係者全員が、情報・購買行動およびそのインサイトを的確に理解し共有するためには、ターゲットのペルソナをつくることが非常に有効だ。

しかしながら、せっかくペルソナをつくっても、それが企業側の思い込みや都合のみでつくったものであるために、効果を発揮しないばかりか、致命的な失敗に陥ってしまうことも少なくない。

ソーシャルメディアマーケティングの成否を左右するペルソナは、購買実績などの定量分析のほかに、ブログ分析、アンケート調査、デプスインタビュー(深層面接)など様々な角度からターゲットを立体的に調査分析して慎重に策定すべきだ。

ペルソナをつくるために実施するデプスインタビューの下記プロセスにおいて、前回は、(1)「インタビュー対象者の選定」について述べたが、今回は、(2)「インタビュー項目の策定」について、引き続き、“インテリアファン.com”のケーススタディで述べたい。

(1)インタビュー対象者の選定
(2)インタビュー項目の策定
(3)インタビュー対象者のリクルーティング
(4)インタビューの実施
(5)インタビュー結果の分析

■インタビュー項目のポイント
“インテリアファン.com”の場合は、ネットを活用したインテリアのオーダー事業という新しいビジネスモデルを開発することが目的で対象が新規顧客であったことから、市場調査とブログ分析の結果、インテリアのオーダーについて興味関心を持ち、実際に購入し体験にいたる層として、インテリアをオーダーしたことがある30代の既婚者をインタビュー対象として選定した。

前回のコラムでも述べた通り、デプスインタビューは、一般的な傾向を調査するものではなく、深層心理を引き出すことが目的であることから、インタビュー項目についても、対象者の選定と同様に、ソーシャルメディアマーケティングの対象や目的によって策定すべきである。

ブログ調査の結果、インテリアのオーダーについては、そもそも興味関心を持っている層自体が少ないということが判明したことから、実際にオーダーした人は、どのような人で、どのようにして興味関心を持つようになったのかということの理解に重点を置くこととした。

インテリアのオーダーについて興味関心を持つにいたった要因がどこから生まれたかを解明することが重要なので、「どのような人か?」ということについては、年齢、所得などのデモグラフィックな属性について詳細を調べることよりも、両親の影響や育ってきた環境、仕事や家庭などの社会的な役割、ライフスタイル関連の趣味嗜好と行動、価値観などを中心にヒアリングすることとした。

■「どのような人か?」を知るために
“インテリアファン.com”において、「どのような人か?」を知るためにヒアリングした重点項目は下記の通りである。

(1)生い立ち
・生まれ育った環境
・両親の職業や趣味
・幼少期や学生時代で印象に残っている出来事

(2)仕事
・職歴
・現在の勤務先、役職、仕事内容
・楽しいこと・不満やストレス

(3)家庭
・家族構成
・家庭における役割
・家族とのコミュニケーション

(4)ライフスタイル
・平日、休日の過ごし方
・趣味、興味のあること
・友達づきあい

(5)価値観
・大切にしたいこと
・不安なこと
・目標

(1)生い立ちについては、その人の価値観形成において影響が大きいことが多い両親に関してのヒアリングは極めて重要である。

(2)仕事や(3)家庭については、役割のみでなく、その満足度やストレスなどについても聞くことにより、本来の願望が現れることも多い。

(4)ライフスタイルについては、趣味、興味を知ることによって、価値観のタイプ分けをすることができる。例えば、下図のように好きなファションや雑誌から、大凡の価値観の方向性を知ることができる。

ファッション・雑誌クラスター分析(出典:筆者作成)
ファッション・雑誌クラスター分析(出典:筆者作成)
*クリックして拡大

(5)価値観については、ダイレクトに聞いても本音は出てきにくいので、様々な角度からの質問によって、浮き彫りにすることが大切だ。

■インサイトを引き出すストーリー
一方、「どのようにして興味関心を持つようになったか?」ということについては、好きなインテリアのスタイルとその理由のほか、実際にインテリアのオーダーをしたことがある経験者をインタビュー対象者としたので、その時の経験について、詳細にヒアリングすることとした。

また、インテリアに関するインタビューなので、ご自宅におうかがいして、実際にオーダーしたインテリア製品を見せていただきながら、インタビューを行なうことにした。

このように、ソーシャルメディアマーケティングのためのデプスインタビューの質問項目については、その対象者と目的によって、どこに重点を置くかというポイントとインサイトを引き出すストーリーの設計が必要となる。

これまで数多くのペルソナを作ってきたが、デプスインタビューは、最も有意義な発見と示唆に富むものであった。時間と労力を要する作業となるが、その価値は充分にあるだろう。

筆者 Twitter はこちら。ご意見、コンタクトなどお気軽に。


執筆:株式会社ワールド・カフェ 代表取締役 笠原 造
監修:株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表取締役 斉藤 徹

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