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13万人超の長蛇の列を生んだユニクロの Twitter キャンペーン「UNIQLO LUCKY LINE」の凄さと怖さ■話題を集めたバーチャル行列
ユニクロは6月2日に迎える26周年を記念し、5月28〜30日に特別セール「ユニクロ誕生感謝祭」を開催した。このキャンペーンに先駆けて公開したサイト「UNIQLO LUCKY LINE」は、Twitter と連動してサイト上のバーチャルな行列に並ぶとノートブック PC やユニクロの商品26枚セットなどが当たるというものだ。 5月24日のサイト公開以来、わずか4日間で、13万7,435人が長蛇の列を作るという凄まじい盛況ぶりだった一方で、「Twitter のパスワードが漏れているのでは?」という漏洩騒ぎもネット上で起こり、Twitter を活用したキャンペーンの伝播力の凄さと怖さを再認識させるものとなった。 ■Twitter と連動したアバターが並ぶ 「UNIQLO LUCKY LINE」で行列に並ぶには、好きなアバターを選び、Twitter の ID とパスワードを入力して、つぶやけば良い。生成された自分のアバターは、ダウンロードして、Twitter のプロフィールなどにも利用することができる。 また、並んでいる人の名前、アイコン、投稿内容が表示されることから、Twitter を通じて、行列に並んでいる人同士でコミュニケーションを楽しむこともできる。
■「行列エンタテーメント」がお家芸のユニクロ ユニクロは、2009年10月に「パリ オペラ店」がオープンした際、オープン前にカウントダウンサイト「UNIQLO FROM TOKYO TO PARIS」や「UNIQLOCK」の第六弾「パリ編」を公開したほか、バスや地下鉄で交通広告を展開したり、ユニクロのロゴ入りバッグに入ったバゲットをベーカリーに販売してもらうなどのキャンペーンを展開し、「行列」すること自体が珍しいと言われているパリで、オープン時に800人を超す行列となり、話題となった。 2009年11月に、ファーストリテイリング創業60周年を記念して開催された「特大キャンペーン」でも、約400店舗を朝6時にオープンし、人気商品「ヒートテック」や男性用くつ下を1足10円で販売するなどの「先着特別価格の商品」を豊富にそろえるほか、各店先着100人に、あんぱんと牛乳を配るなどのキャンペーンを展開し、銀座店で、開店前に約2,000人が並ぶなど、大きな話題を集めた。 また、今年5月15日に上海にグローバル旗艦店を開店した際には、オープンに先駆けて、Twitter アカウントを入力すると、上海美人の動画と自分のアイコンと投稿を組み合わせた動画が展開されるムービーコンテンツ「COLOR TWEET!」を公開した。上海店の開店時には、約1,200人が数百メートルの列をつくり、入場制限も実施したという。 このように、Web やリアルで話題になるキャンペーンを展開し、オープン前に意図的に行列をつくり出し、さらなる話題を呼ぶというのが、ユニクロのお家芸となっている感がある。今回の「UNIQLO LUCKY LINE」も、コピーは「行列エンタテーメント!」であった。 ■「漏洩なう」騒ぎも発生 ところが、今回は「行列エンタテーメント!」と言っていられない問題が発生した。 5月24日の夕方頃に、「UNIQLO LUCKY LINE」に登録したユーザーの Twitter ID やつぶやきを一覧表にしたテキストファイルが Web 上で公開されていることをユーザーが指摘し、「ユニクロがパスワードを保存しているのでは」や「パスワードが漏れているのでは」という不安がユーザー間で高まり、「【情弱緊急速報】ユニクロ行列 リスト大公開中だよー!」や「漏洩なう」などといったつぶやきがリツイートされ、ネット上で漏洩騒ぎとなった。 26日になって、ユニクロは、「UNIQLO LUCKY LINE に関するお知らせ」というプレスリリースを発表し、パスワードは Twitter と通信する場合のみ利用しており、保存や漏えいの事実は無いこと、また、UNIQLO LUCKY LINE 上の行列を表示するための公開情報(Twitter の ID・ユーザー名・アイコン画像パス、つぶやき文言、アバターの服装データ、つぶやいた日時、行列参加日時、行列番号・ツイート文言など)以外は公開されていないことを主張している。 Twitter が推奨している認証方式 OAuth 認証を、「UNIQLO LUCKY LINE」が利用していないことを指摘する声もあがっているが、OAuth を利用した SPAM で、自分が SPAM の「発射台」になってしまうという事例もあり、一概に OAuth であれば、安全ということでもないだろう。 ■増える一方の Twitter キャンペーンとその課題 このような Twitter と連動したキャンペーンサイトは増える一方だが、今回の「漏洩騒ぎ」は、2つの課題を再認識させる結果となった。 ひとつは、「パスワードが漏洩している」と誤解するような、事実と異なる内容のつぶやきが、またたく間に広がり、ユーザー間で不安感が高まったことだ。現実の社会でも、デマや伝言ゲーム的な誤報や噂は数多く存在するが、Twitter は、リツイートなどで加速度的な伝播力があるだけに、その影響が極めて大きい。 もうひとつは、Twitter は、オープンでカジュアルなコミュニケーションの場であるが、ID とパスワードのベーシック認証にしろ、OAuth にしろ、他のサイトに連携する時は、投稿やメッセージが漏洩したり、アカウントが乗っ取られる危険性もあるということだ。 Twitter が急激に普及する中で、Twitter を悪用しようとする輩も増えると思われるが、自由でオープンなコミュニケーションの場を維持するためにも、Twitter をキャンペーンに活用する側の的確な企画、運営とユーザーの自己防衛及び自己責任が一層重要となってきたと言えるだろう。 筆者 Twitter はこちら。ご意見、コンタクトなどお気軽に。 執筆:株式会社ワールド・カフェ 代表取締役 笠原 造 監修:株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表取締役 斉藤 徹 関連記事
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