![]() ![]() ![]() ![]() 【ad:tech Tokyo】今後のキーワードは「ローカル」と「トリプルスクリーン」―Google 有馬誠氏に訊くこの記事のURLhttp://japan.internet.com/wmnews/20100604/5.html
著者:japan.internet.com 編集部
国内internet.com発の記事
●検索テクノロジーこそ Google のすべて Google は世界中のインターネットに存在するあらゆる情報を探し出し、ユーザーの具体的なニーズ=検索キーワードに対して整理された情報を提供する。ウェブ検索も、地図も、ニュースも、それぞれのサービスが目的に応じて最適化された検索テクノロジーそのものなのだ。これはつまり、 Google はインターネットに溢れるあらゆる情報へのゲートウェイという位置づけであり、Google 自身がコンテンツを持たないことを意味する。 これはビジネスモデルにも大きく関わっており、ポータルサイトでは整理された情報群=サービスプロパティやユーザーの閲覧行動の傾向に対して最適な広告主をディスプレイ広告により視聴者に露出することが最大の収益モデルである一方で、検索の専門サイトである Google は広告もあくまでユーザーの検索行動にあわせて広告を掲載するキーワード連動型広告が唯一かつ最大のビジネスモデルなのだ。 ● 代理店頼みばかりでクリエイティブを作れる広告主がいない このような Google のビジネスモデルに高い信頼を寄せる有馬氏だが、日本のネット広告業界全体を考えると、ディスプレイ広告の伸びしろは大きいと考えているようだ。 欧米では広告メディア間の競争が激しく、アドネットワークやアドマーケットプレイスの浸透など、ネット広告業界は活気にあふれている。 広告主のリッチメディア広告に対する認識が高くないことも、日本でディスプレイ広告の市場が活性化しない原因であるという。この背景には、広告主がクリエイティブを作るためのコストや労力に慎重になってしまうという課題があるという。また、最近のアドネットワークなどでは自分で広告の設定、管理などが柔軟に行えるのに対し、クリエイティブを代理店頼みにして、広告主自身で作成しないのも市場の活性化を妨げている。 たとえば、現在でも Google AdWords のプラットフォームでは、テキストだけでなく画像、動画、フラッシュコンテンツなど様々なフォーマットの広告を出稿することができる。欧米では積極的に活用されているが、日本市場での浸透が遅れているのは、このようなクリエイティブ制作に対する広告主側の現状が影響しているようだ。 このようなリッチ広告市場の閉塞感を打破するための施策のひとつとして、日本でも YouTube のディスプレイ広告を強化していく考えだ。広告主や代理店が、検索連動型、オークション型などの、「広告が現れないこともある」というビジネスモデルに慣れておらず、「出ることを保証してほしい」という考え方が根深いこともまた、浸透を阻む要因の一つ。理解を促進することにより、「広告主、代理店も含めたディスプレイ広告の知恵比べというムーブメントを起こしたい」(有馬氏) ● 何が流行っても大丈夫なように対応していく Facebook、mixi などの SNS や、iPhone、Android 旋風に沸くスマートフォン、何かと話題の twitter など、広告業界を取り巻くムーブメントは次々と登場し、ユーザーのタッチポイントは多様化の一途をたどっている。今後、どのようなものが流行っていくのかは有馬氏にもわからない。だが「何が流行っても大丈夫なように対応していく」のが有馬氏の姿勢だ。 スマートフォンの世界的な広がりで、モバイル広告は伸びると有馬氏は見ている。これに対して Google はすでに、Android の開発やモバイル広告大手 AdMob の買収に動くことなどで手を打っている。twitter に関しては、ツイートすれば広告が表示される連動広告に乗り出したという動きに注目しているそうだ。 だが、これは今のトレンドに対して Google が適切に対応しているということにすぎず、「何か一つだけが永遠に流行することはない。ユーザーの動くところ、ユーザーが時間を使うところに広告も動いていく」というのが有馬氏の考えだ。今後も Google のサービス開発や企業買収、パートナーシップへ向けた動きには目が離せない。 大きな流れとしては、「ユーザーに役立つもの」を開発するのが Google のスタンスだ。必ずそこにはビジネスチャンスがある。ユーザーが時間を使ってくれるものを開発するのが、インターネットビジネスの基本であると有馬氏は述べる。 Gmail などのサービスを無料で提供していることからもわかるように、Google はまず収益ありきでサービスを作る会社ではない。人が集まり、時間が費やされるところに収益は必ず発生するというのが Google の考え方だ。「ユーザーの喜びこそ収益源の基本だ」と有馬氏は言う。 今後の動きとしては、ローカル広告を強みにしていきたいとのこと。現在、特にモバイルにおいて、地域に関する検索が増えているという。具体的な動きとしては、店舗情報登録サービス「Google プレイス」に力を入れていく考えだ。 「Google プレイス」は、Google マップ上に事務所や店舗情報を無料で登録できるサービス。Google プレイスには、それぞれの事業主が管理する「プレイスページ」があり、住所や電話番号、地図、画像、レビュー、クーポンなどが一目で見られるように情報がまとめられている。 Google では、5回に1回は特定の場所に関する情報が検索されているそうで、Google プレイスに登録しておけば、Google で検索したときに、検索結果に自分の店舗が表示され、ピンポイントで情報を求めているユーザーにリーチできる。現在、グローバルで400万件以上の店舗情報が登録されているそうだ。 5月には、新しいサービスとして、「おみせフォト」の募集を開始している。「おみせフォト」は店内の様子や雰囲気がわかるように、Google のフォトグラファーが実際に現地に訪れ、店舗内を無料で撮影する。現在、日本、米国、オーストラリアの約30都市の事業主を対象に参加を募集しており、国内では東京、京都、大阪、神戸を中心に撮影を進めている。
● インターネットは今でも黎明期だ 2002年にヤフーを離れた後には人材紹介会社を手がけた有馬氏だが、今回、ネット業界に戻ってみて、「ネットを離れる2002年はインターネットは成熟期にあると感じていたが、今、振り返ってみれば当時は黎明期であった」と感じたという。 有馬氏は「おそらく今から10年後には、今のネットの状況を弥生時代や縄文時代のように感じるだろう」と述べ、現在もインターネットは黎明期にあり、これからもっととんでもない進化、変革がおきると予測する。 有馬氏によると、大都市圏以外の地方におけるデジタルマーケティング市場はまだまだ未開拓であり、広告一つとっても半分程度の企業は AdWords を知らないという。それどころか、Eコマースで収益を増加できることも多くが認識していないというのだ。「地方の活性化」は有馬氏の示す一つのキーワードだ。 もう一つのキーワードとして有馬氏は「トリプルスクリーン」を挙げる。マーケターの間で最近トレンドとなっている言葉だが、3つの画面(テレビ、PC、モバイル)を連動した広告を作りたいというのが有馬氏のビジョンだ。 たとえばテレビ CM とモバイル検索を連動させた広告モデル、テレビコンテンツのインターネットへの流通による新たなビジネスモデルの創出など、トリプルスクリーンの連携を活用したビジネスモデルはこれからのデジタルマーケティングの課題であり、未開拓の大きなチャンスでもある。 Google がもたらす新しい「ユーザーの喜び」と、そこから生まれる新しいビジネスモデル。どのような革新をデジタルマーケティングにもたらすのか、注目したい。
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