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2010年7月5日 11:00

「Microsoft Office 2010」のマーケティング戦略とは?【パート1】―サイコス青葉氏が訊く(2/2)

つまり、過去のOffice シリーズで作成された文書はバーションアップで閲覧・編集できなくなるという事態は許されず、再現性も含めてユーザーのパソコンに眠る膨大な Office ドキュメントは全て新しい Office でも利用できなくてはならない。

しかし、資産を守るだけではバージョンアップをする動機にはならない。そこで、新しい使いやすさや革新的な機能を盛り込み、しかも過去のバーションを利用している5億人のユーザーにも違和感なく受け入れてもらわなくてはならないのだ。

「大きなユーザビリティの変化はユーザーの反発を招き、保守的になると生産性向上を犠牲にしてしまうし、ユーザーの関心を引けない」(横井氏)そのジレンマは相当なものだろう。

そのひとつの事例が前バージョンの Office 2007 で実装された新 UI(ユーザーインターフェイス)の「リボン」だ。メニューバーの大幅な UI 変更にとまどったユーザーもいたそうだが、Office 2010 ではその「リボン」を更に使いやすくし、あまり使われていなかった「Office ボタン」を廃止、「ファイル」メニューをあえて復活させるなど、Office 2003 以前のバージョンのユーザーが直感的に操作できる UI を意識したそうだ。

● どの環境でも、自分が作ったドキュメントが開けるように

今回、Office 2010 がもたらすイノベーションのひとつは「リッチクライアント版の Office をブラウザやスマートフォンでも動くように」すること。つまり、どのような環境においても Office 文書を自在に扱えるようにすることだ。

そのひとつの答えとして、マイクロソフトは「Office Web Apps」を発表し、機能に違いはあるとはいえ、ドル箱商品である Office 製品の無償化・クラウド化を実現した。「これをやらないとリッチクライアントは生きてこない」(横井氏)。つまり、Web Apps は Office 製品を通じて提供されるエクスペリエンスのひとつにすぎず、PC(リッチクライアント)、クラウド、モバイルが連動して、いつ、どこにいても同じ文書にアクセスできることがこれからの Office 製品を通じた生産性向上になくてはならないものなのだ。

PC、ブラウザ、スマートフォンの連携でどこでもデータ編集が可能になる
PC、ブラウザ、スマートフォンの連携で
どこでもデータ編集が可能になる

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また、モバイルにおいては隠れた大きな変化がある。それは、今回アップデートされた Office Mobile 2010 では、PC版 Office の開発チームが開発を担当するようになった。(従来、Windows Mobile を搭載したスマートフォンで利用できる Office Mobile は Windows Mobile のチームが開発を行っていた)

これは、全世界のOffice ユーザーのフィードバックを元に開発を行っている Office チームがそのノウハウを元にブラウザ版・モバイル版それぞれに合せてユーザビリティを最適化することができ、フィードバックも集約できるなどの利点がある。そしてユーザーがよりシームレスに Office 製品を活用できるようになるのだ。

Office Mobile 2010 の画面イメージ
Office Mobile 2010 の画面イメージ
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次回は、マイクロソフトのプロダクトマーケティングへの考え方や、デジタルデバイスの発展によるワークスタイルの変化などについてお話を伺う。

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