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「Microsoft Office 2010」のマーケティング戦略とは?【パート2】―サイコス青葉氏が訊く(2/2)● ツールの進化で変化するワークスタイル、その変化に乗り遅れるな
「利用者の生産性を向上させる」のが Office の使命。次に青葉氏は、Office チームが企業、ビジネスパーソンの生産性やワークスタイルをどのように考えてきたかをたずねた。 横井氏によれば、「昔、PC は“清書ツール”だった。手書きに代わり、きれいにプリントアウトされたものを出力するツールとして、Word や Excel を売っていた」という。しかし Windows 98の登場によりパソコン、インターネットが爆発的に普及するにつれ、ワークスタイルも大きく変化した。文書の作成方法も「手書きを元に清書する」から「まずパソコンで書き始める」に変化し、出来上がった文書もただプリントアウトするだけではなく、文書ファイルそのものをメールや メッセンジャーソフトなどで送受信したり、PDF や Web などへ出力したりと、文書の扱い方が多様化している。 「ワークスタイルはツールで進化している」と横井氏。文書作成はひとつの例にすぎず、ツールによって生まれるワークスタイルの変革は様々な Office 製品ですでに実現できるようになっており、使いこなす企業、ビジネスパーソンも拡大している。そのトレンドに乗れない人々の意識を変えていくことが必要だという。「“清書ツール”で意識がとまっている人を変えていかなければならない」というのが、横井氏のスタンスだ。 青葉氏も「トレンドの変化に乗れない」人々の意識を変えていくことを重視している。青葉氏によると、新しいツールを実際に使用する現場の社員はその重要性を知っているのに、そのツールの導入を決裁する経営者やシステム担当者がついていけないケースが多いという。「業務アプリケーションへの投資は大きいが、企業のインフラやコミュニケーションへの投資に対する理解がない」(青葉氏) 具体的な例として、Microsoft Outlook はメーラーとして一般的だが、「カレンダー」「連絡先」「ToDo」などの様々な機能の連携や「Exchange Server」などを活用したワークスタイルのシームレス化がリテラシーとして備えられていないようなケースだ。青葉氏によるとそれどころか「いまだに Outlook Express をビジネスに使っている会社」も目の当たりにしており、PC に Outlook クライアントが入っているにも関わらず、生産性の低いツールを使うのは、実にもったいないことだと感じているそうだ。 横井氏はツールの進化の新しい例として、Outlook を SNS と連動させてよりリッチに利用できる「アウトルック・ソーシャル・コネクター(Outlook Social Connector)」を挙げた。この機能では、メールの相手とのやりとりやアクティビティが自動でソートされ、すべて一覧で参照できるので、社内で関係の薄い人やはじめてやりとりする人でも、記憶や憶測に頼らない確実なコミュニケーションが可能だ。写真やプロフィールも参照できるので、相手の性別や立場を事前に理解した上でのコミュニケーションが可能だ。 ● ワークスタイルの改善が企業の将来に直結する時代に このようなツールの進化にすぐに馴染めるのは若い10代20代の世代だ。彼らが生まれたときにはすでに PC もインターネットも携帯電話も存在しており、彼らの中にネットやパソコンが「得意ではない」という人はいない。新しいものにもすぐ順応し、使いこなすことで自身のワークスタイルを向上させることができる世代だ。 彼らのような世代は、前述した「流れに乗れない」企業に入社すると、そのリテラシーの低さに驚かされるという。米国では、就職しようとする学生が企業を選ぶ際に、どのようなワークスタイルを作っているか、つまりワークスペースのインフラやシステムにどれくらい投資をしているかを判断基準のひとつにしているそうだ。日本では、郷に入れば郷に従えという考えがまだ根強いが、米国では企業が最新のトレンドを追いかけ、ワークスタイルを改善し続けなければ優秀な学生の獲得が危うくなるほど、ワークスタイルへの意識は高い。 とはいえ、日本でもそのような意識の高い経営者は少なくないそうだ。横井氏によると、「インスタントメッセンジャーを導入したある企業には、『自分にはわからないが、新人は当たり前のように使う。自分はなくても困らないが、彼らが困るから導入する』と言う経営者がいた」という。現場の生産性向上が業績に与える影響を重視している意見と言える。 青葉氏も「デジタルツールがもたらすメリットがわかる経営者とわからない経営者では、組織全体のワークスタイルにも大きな差が出てくる。ファーストリテイリング様が Office 2010 をはじめとする弊社製品群を全世界に導入したことはコミュニケーションがビジネスの生産性に直結するという一つの象徴的な事例」と指摘した。 ワークスタイルへの意識は米国はもちろん国内でも高まっている。Office 製品はこのニーズに応えるイノベーションを様々な形で提供してくれるはずだ。
次回は、Microsoft Office のプロモーション施策などからマーケティング戦略についてお話を伺う。 関連記事
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