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自販機に人格を持たせることで、みんなの”ちょっと気になる存在”に -- 日本コカ・コーラ『ハピネスクエスト』が実現した世界とは全国に設置されているコカ・コーラの自動販売機。商品を購入しようと自販機の前に立った際に、QRコードと名前が印刷された小さなプレートを見かけたことはないだろうか。これは、日本コカ・コーラが2011年11月に開始した『ハピネスクエスト(略してハピクエ)』という、携帯電話・スマートフォンを通じてお気に入りのコカ・コーラの自販機に名前を付けたり、自販機とまるで友達のようなコミュニケーションを楽しむことができるウェブサービスに参加するためのもので、現在全国約40万台の自販機にこのプレートが設置され、現在もその数は増え続けている。3月末には82万台にプレートの設置が完了するという。
日本コカ・コーラが全国に100万台近く展開する自動販売機と同社が様々なデジタルマーケティングに活用している『コカ・コーラ パーク』を中心とするデジタル施策を連携させ、リアルとネットを融合した壮大なソーシャルマーケティングを展開するという、同社ならではの発想から生まれたこの『ハピネスクエスト』。そこにはどのような戦略があり、そしてどのような効果が生まれたのだろうか。日本コカ・コーラ株式会社iマーケティング&システムイノベーション シニアマネジャーの足立浩俊氏にお話をお伺いした。
● コカ・コーラの自動販売機とお友達になれる『ハピネスクエスト』 まず、足立氏に『ハピネスクエスト』とはどのようなコンテンツなのかを伺った。このコンテンツの最大の特徴は、全国に設置されたコカ・コーラの自販機がそれぞれ名前や個性を持ったキャラクターとして登場する点だ。キャラクターの名前は「あつこ」「たくや」など1000種類にものぼり、数字と組み合わせて、それぞれの自販機のプレートに記載されている。また、同社の全てのブランドサイトにもブランドオリジナルの自販機キャラクターが存在している。
ユーザーは、携帯電話やスマートフォンで同社のウェブサイト『コカ・コーラ パーク』にログインした状態で自販機に設置されたQRコードを読み取りキャラクターを出現させ、お気に入りの自販機は「マイ自販機」に登録することができる。どの自販機を登録するのかはユーザーが自由に決めることができる。自分の自宅やオフィスの最寄りの自販機でも良いし、様々な自販機の名前をチェックしてみて気に入った自販機を登録してみても良いだろう。そして、この「マイ自販機」から定期的にメールが届き、コミュニケーションを楽しむことができるのだ。形や性格など、いろいろな自販機キャラクターがいるので、好みの自販機キャラクターを探す楽しみもある。
また、好きなキャラクターを「マイ自販機」に設定すると、オリジナルの名前が付けられたり、コンテンツの利用状況に応じてカスタマイズできたりすることが可能になる。また、自分の「マイ自販機」はソーシャルメディアの“チェックイン機能”の要領で、他の自販機のキャラクターに“あいさつ(ハロー)”をするとキャラクターがレベルアップするためのポイントが貯まったり、イベントが発生するなどの楽しみがあるほか、期間内のあいさつ回数やあいさつの条件を達成すると、様々な「コンプリートバッジ」がもらえて、コレクションすることもできる。詳しい楽しみ方は YouTube に公開しているアニメーションでわかりやすく紹介している。
● “人格”を持たせることで、自販機をもっと身近な存在に 足立氏によると、今回の企画の背景には「消費者にもっと自販機に足を止めて欲しい」というマーケティングニーズがあり、それを実現する手段として、“全国に展開する自販機”、“1000万会員を達成し成長する『コカ・コーラ パーク』”、“モバイルゲームの成長”という3つの要素を掛け合わせたコンテンツとして『ハピネスクエスト』を考案したという。 「消費者にもっと自販機に足を止めて欲しい」-- この目的のためにこの企画が行ったのが、“無機質な自販機に人格を持たせる”ということだという。当たり前の話だが、数多くの自販機は意識してその存在に関心を持つことはなく、喉が渇きドリンクを求めるとき以外にはなかなか近寄ることが少ない存在。普段なら、その前をただ通過するだけだ。しかし、この『ハピネスクエスト』を通じて自分の“友達”である「マイ自販機」を持つことによって、ほかのコカ・コーラ自販機を見ただけで「この自販機の名前は?」「あいさつしてみよう」という関心をもつことになる。実際に、足立氏も様々な場所でコカ・コーラの自販機を見るたびに、ついついその名前をチェックしてしまうのだそうだ。「買うか、買わないか」はその時のニーズ次第だが、まずは数多くの自販機に意識を止め、関心を寄せてくれることが購買拡大のための第一段階と考えているのだ。 それにしても、全国にある膨大な数の自販機に、ユニークな名前(1000種類)のプレートを貼っていくという作業は、決して楽なことではない。特に、日本におけるコカ・コーラの流通システム(コカ・コーラシステム)は、日本コカ・コーラ社(商品企画・原液製造)と全国にあるボトラー社(ボトリング・販売)が分業して行っており、自販機の設置・管理も各ボトラー社が行っている。足立氏も「82万枚のユニークなプレートを用意し、ボトラー社に配布し、各自販機に設置してもらうという作業はとても大がかりな作業だ」としながらも、「それができる信頼関係を弊社とボトラー社の間に築けているのが、“コカ・コーラシステム”の強みだ」と語った。 ● コンテンツ公開から1か月で20万人が参加、反響も続々 『ハピネスクエスト』は、コンテンツを公開して1か月で約20万人が参加し、参加者は増え続けている。足立氏によると、ユーザーからの反響は大きく、「もっとキャラクターの名前のついた自販機を増やしてほしい」という声が数多く寄せられているという。また、自販機にあいさつ(ハロー)した際にもらえる「バッジ」のコンプリートを目指している人や、「マイ自販機」にユニークな名前を付けて友人・知人に教えるという楽しい使い方をしている人もいるそうだ。そして、あいさつ(ハロー)すると Twitter、Facebook、mixi ボイスなどに投稿できるのだが、タイムラインにはひっきりなしに様々な自販機への“ハロー”が報告されているそうだ。
また、『ハピネスクエスト』の効果と購買との関連性については、今後コンテンツの開始前後やコンテンツの参加・不参加による購買行動の傾向を比較するマーケティングリサーチなどをしながら、消費者の態度変容の様子を調べてみたいという。ただ、この現時点で足立氏は、『ハピネスクエスト』の目標について、まずは自販機への意識を変えることに重点を置いている。「自販機が多くの人の中で“気になる存在”になってくれれば。自販機の前を通ったときの気持ちが変わり、今まで以上に関心を持ってくれればと考えている」(足立氏)。 日本コカ・コーラは、各メディアで“最もソーシャルメディアを活用する企業”として評価され、グローバルで最先端のソーシャルマーケティングを展開している。セールス・プロモーションやブランドマーケティングというと、どうしてもブランド・商品を押し出し、消費者の購買行動を求めることに急いでしまいがちだが、同社ではデジタルマーケティングの中核で展開する『コカ・コーラ パーク』でも、今回新たに始まった『ハピネスクエスト』でも、そのようなアプローチは取らない。それぞれが“消費者にとって便利な存在、楽しい存在であるためには”という命題のもとコンテンツやエンターテインメントを提供し、そのような活動を通じてブランドへの愛情を高めてもらうことを第一に考えているのだ。 なお『ハピネスクエスト』では、今後ソーシャルゲームなど他のブランドとのコラボレーションや、ここからステップアップして“自販機で購入する”ということに対するロイヤリティを高める施策などについても考えていくという。また、同社のソーシャルマーケティング全体では引き続き自社メディアでの新企画の展開と並行して、Facebook、mixi など巨大なソーシャルグラフ・プラットフォームを活用した企画やソーシャルメディアに集まる消費者の声を素早くキャッチアップし、フィードバックを消費者に提供していく『アクティブ・リスニング』の分野も精力的に挑戦していきたいという。 今後も進化を続ける『ハピネスクエスト』と日本コカ・コーラのソーシャルマーケティング施策。今まで誰も考えなかったような、そして誰も簡単に真似することができないような、全く新しいユーザー体験を提供し続けていくに違いない。 ■ ハピネスクエスト http://c.cocacola.co.jp/hq/ ■ ハピネスクエスト紹介アニメーション http://www.youtube.com/watch?v=pCGC9acTdP0 関連記事
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