Marketing
マーケティング
期待を超える体験を提供したい -- 炭酸市場に登場した大人向け新ブランド「シュウェップス」のブランド戦略とは
日本コカ・コーラは2012年6月、イギリスを中心にヨーロッパで人気の炭酸飲料ブランド「シュウェップス」から「シュウェップス ブリティッシュ レモントニック」を発売した。この製品は、日本コカ・コーラが2012年に展開する新製品の中でも最重要商品の1つと位置づけ、大規模なマーケティング活動を展開しているという。ブランドが目指す方向性や具体的なマーケティング活動について、日本コカ・コーラ株式会社 マーケティング本部 フレーバー炭酸グループ マネジャーの富重 豪氏にお話を伺った。
● 世界最古の炭酸飲料「シュウェップス」、新製品の味のポイントは?
まずはじめに、「シュウェップス」というブランドについて聞いた。「シュウェップス」が生まれたのは、220年以上前の1783年。「コカ・コーラ」よりも前のことで、"世界最古の炭酸飲料"と言われているという。1837年には英国王室御用達のソーダメーカーに認定されるなど、ヨーロッパを中心に愛され続け、現在では世界中で親しまれている。日本では1999年からトニックウォーターを展開。バーなどで「シュウェップス」のロゴを見かけた人は多いのではないだろうか。
今回新発売した「シュウェップス ブリティッシュ レモントニック」の味のポイントを富重氏に伺ったところ、それは「ほのかなにがみ」だという。一般的にティーンネイジャーを対象とした炭酸飲料は甘めの味わいのものが多いが、今回発売した製品のターゲットは40代以上の層で、彼らの味の嗜好に合わせて"大人っぽい"味わいを目指したという。果汁を入れレモンの酸味をしっかり味わいながら、「ほのかなにがみ」をバランスよく利かせることで、大人の味覚に応える"味のキレ"を実現したのだ。
● ブランド認知を広めるために、大規模なキャンペーンを展開
「シュウェップス ブリティッシュ レモントニック」の発売に合わせ、同社では『シュウェップスが日本にやってきた!』と題した大規模なキャンペーンを開始している。人気映画俳優のピアース・ブロスナン氏をイメージキャラクターに迎え、テレビ CM や屋外広告、ウェブサイトなどを展開。また、報道関係者向けの製品発表会の開催やブロガーを招待した先行試飲会、店頭・街頭でのサンプリングなども積極的に行なっているという。
富重氏によると、この大規模キャンペーンの目的はブランドの認知拡大だという。「日本にはまだ"シュウェップス"というブランドは根付いていない。まずは自己紹介をしっかりとして、名前とブランドに込められたメッセージを知ってもらい、ターゲット層である40代以上の人々を中心に商品を試してもらいたい」と富重氏は説明する。サンプリングは100万人規模という大規模なもので、大人が集まる街・銀座や全国の主要都市、空港などでも開催されたのだそうだ。
また、インターネットを活用したマーケティングも40代というターゲット層を意識したものとなっているという。「若い人は SNS に代表されるようにインターネットをコミュニケーションの手段として利用しているが、40代の利用目的は主に情報収集という。そこでブランドサイトやポータルサイトをタッチポイントにするだけでなく、ブロガーを発信手段として多角的な情報提供を行ない、彼らの目にブランドの情報を触れやすくすることを狙っている」と富重氏。その効果が現れ、導入後1週間時点での「シュウェップス」のブランド認知経路の10%以上がインターネット経由によるもので、これは通常よりもかなり高いスコアとして表れているという。
● 『オトナ、はじける』に込めたメッセージ
キャンペーンを通じて、「シュウェップス」が掲げるブランドメッセージが、『オトナ、はじける』というものだ。このメッセージの意図について聞いた。富重氏は、このブランドメッセージの背景に"大人の価値観の変化"を挙げる。「昔は、大人にとって"人生の成功"は"仕事の成功"とイコールだった。しかし、今は人生に対する価値観が多様化し、"自分らしさを楽しむ"というライフスタイルを好む大人が増えている。『シュウェップス』が、様々なものにこだわっている大人たちを応援するブランドになれればという思いを、このメッセージに乗せた」(富重氏)。
日本コカ・コーラ製品のブランド戦略は、飲む人の姿、飲んでいる人が楽しんでいるシーンを明確にし、そこに向けた統合型のマーケティングを行い、ブランドメッセージを打ち出す戦略を取ることが多い。この「シュウェップス」も、「こだわりのライフスタイルを楽しむ40代以上の大人たち」という明確なターゲットに最適な製品を作り出し、そして彼らに共感されるブランドメッセージを展開しているのだ。
● ターゲットユーザーが求める"味"と"価値"を追求するということ
富重氏によると、現在の炭酸飲料市場は人口分布の変化により40代以上の重要度が増してきているという。40代の消費者の50%は月に1度は炭酸飲料を飲むというデータもあるのだそうだ。「大人をターゲット層にしていくことが、今後の成長のためには重要だと考えている」と富重氏は説明する。
しかし、「40代以上の大人」というこのターゲット層に対して明確な価値を打ち出した定番ブランドはこれまで不在の状態だった。いわゆる定番商品の"番外編"として季節商品が出ることは多いが、それらはあくまでティーン層をターゲットにした商品をアレンジしたもので、ターゲットとなる年齢層も20代、30代の"ヤングアダルト"と呼ばれる世代。明確に40代を意識した商品はなかったのだ。本格的な"にがみ"や味わい、カロリーを控えめにした「シュウェップス」の特徴は、今後増えていく40代の炭酸飲料愛好者の味に対するニーズに応えるものと言えるのだ。
そして、炭酸飲料に求めるものは、味だけではない。その飲み物によってどういう体験をするかという点も重要だ。一般的に、炭酸飲料に求める体験は「リフレッシュメント」。つまり"スカっとしたい"という気持ちだが、この志向は年齢を追うごとに減少するという。代わって増えてくるニーズが、「リラックス」だ。つまり、40代は生活の様々なシーンで「リフレッシュメント」を求めることも、「リラックス」を求めることもある。「シュウェップス」は、このような彼らの多様なニーズに応えるブランドを目指しているのだ。「性別、時間、場所、あらゆるものを問わず、彼らのニーズに応えるブランドを目指していきたい」と富重氏は語る。
最後に、富重氏に「シュウェップス」の今後のブランド展開に対する抱負を伺った。
「他の製品にはない本格的な味わいで、歴史と伝統のある『シュウェップス』の名に恥じない製品を提供していきたい。世の中に美味しい飲み物は沢山ある。しかし、その中で多くの消費者に選ばれるブランドを目指して、炭酸飲料が好きな大人たちの期待を超えるような驚きや体験を、これからも提供していく」。
![]() |
| 日本コカ・コーラ株式会社 マーケティング本部 フレーバー炭酸グループ マネジャー 富重 豪氏 |
● 世界最古の炭酸飲料「シュウェップス」、新製品の味のポイントは?
まずはじめに、「シュウェップス」というブランドについて聞いた。「シュウェップス」が生まれたのは、220年以上前の1783年。「コカ・コーラ」よりも前のことで、"世界最古の炭酸飲料"と言われているという。1837年には英国王室御用達のソーダメーカーに認定されるなど、ヨーロッパを中心に愛され続け、現在では世界中で親しまれている。日本では1999年からトニックウォーターを展開。バーなどで「シュウェップス」のロゴを見かけた人は多いのではないだろうか。
| 「シュウェップス」の歴史を紹介する動画 |
今回新発売した「シュウェップス ブリティッシュ レモントニック」の味のポイントを富重氏に伺ったところ、それは「ほのかなにがみ」だという。一般的にティーンネイジャーを対象とした炭酸飲料は甘めの味わいのものが多いが、今回発売した製品のターゲットは40代以上の層で、彼らの味の嗜好に合わせて"大人っぽい"味わいを目指したという。果汁を入れレモンの酸味をしっかり味わいながら、「ほのかなにがみ」をバランスよく利かせることで、大人の味覚に応える"味のキレ"を実現したのだ。
![]() |
| シュウェップス ブリティッシュ レモントニック |
● ブランド認知を広めるために、大規模なキャンペーンを展開
「シュウェップス ブリティッシュ レモントニック」の発売に合わせ、同社では『シュウェップスが日本にやってきた!』と題した大規模なキャンペーンを開始している。人気映画俳優のピアース・ブロスナン氏をイメージキャラクターに迎え、テレビ CM や屋外広告、ウェブサイトなどを展開。また、報道関係者向けの製品発表会の開催やブロガーを招待した先行試飲会、店頭・街頭でのサンプリングなども積極的に行なっているという。
![]() |
| ピアース・ブロスナン氏を招いて開催されたイベント |
![]() |
| 銀座ソニービルで展開した屋外広告 |
富重氏によると、この大規模キャンペーンの目的はブランドの認知拡大だという。「日本にはまだ"シュウェップス"というブランドは根付いていない。まずは自己紹介をしっかりとして、名前とブランドに込められたメッセージを知ってもらい、ターゲット層である40代以上の人々を中心に商品を試してもらいたい」と富重氏は説明する。サンプリングは100万人規模という大規模なもので、大人が集まる街・銀座や全国の主要都市、空港などでも開催されたのだそうだ。
また、インターネットを活用したマーケティングも40代というターゲット層を意識したものとなっているという。「若い人は SNS に代表されるようにインターネットをコミュニケーションの手段として利用しているが、40代の利用目的は主に情報収集という。そこでブランドサイトやポータルサイトをタッチポイントにするだけでなく、ブロガーを発信手段として多角的な情報提供を行ない、彼らの目にブランドの情報を触れやすくすることを狙っている」と富重氏。その効果が現れ、導入後1週間時点での「シュウェップス」のブランド認知経路の10%以上がインターネット経由によるもので、これは通常よりもかなり高いスコアとして表れているという。
● 『オトナ、はじける』に込めたメッセージ
キャンペーンを通じて、「シュウェップス」が掲げるブランドメッセージが、『オトナ、はじける』というものだ。このメッセージの意図について聞いた。富重氏は、このブランドメッセージの背景に"大人の価値観の変化"を挙げる。「昔は、大人にとって"人生の成功"は"仕事の成功"とイコールだった。しかし、今は人生に対する価値観が多様化し、"自分らしさを楽しむ"というライフスタイルを好む大人が増えている。『シュウェップス』が、様々なものにこだわっている大人たちを応援するブランドになれればという思いを、このメッセージに乗せた」(富重氏)。
![]() |
| 「シュウェップス」のウェブサイト |
日本コカ・コーラ製品のブランド戦略は、飲む人の姿、飲んでいる人が楽しんでいるシーンを明確にし、そこに向けた統合型のマーケティングを行い、ブランドメッセージを打ち出す戦略を取ることが多い。この「シュウェップス」も、「こだわりのライフスタイルを楽しむ40代以上の大人たち」という明確なターゲットに最適な製品を作り出し、そして彼らに共感されるブランドメッセージを展開しているのだ。
● ターゲットユーザーが求める"味"と"価値"を追求するということ
富重氏によると、現在の炭酸飲料市場は人口分布の変化により40代以上の重要度が増してきているという。40代の消費者の50%は月に1度は炭酸飲料を飲むというデータもあるのだそうだ。「大人をターゲット層にしていくことが、今後の成長のためには重要だと考えている」と富重氏は説明する。
しかし、「40代以上の大人」というこのターゲット層に対して明確な価値を打ち出した定番ブランドはこれまで不在の状態だった。いわゆる定番商品の"番外編"として季節商品が出ることは多いが、それらはあくまでティーン層をターゲットにした商品をアレンジしたもので、ターゲットとなる年齢層も20代、30代の"ヤングアダルト"と呼ばれる世代。明確に40代を意識した商品はなかったのだ。本格的な"にがみ"や味わい、カロリーを控えめにした「シュウェップス」の特徴は、今後増えていく40代の炭酸飲料愛好者の味に対するニーズに応えるものと言えるのだ。
そして、炭酸飲料に求めるものは、味だけではない。その飲み物によってどういう体験をするかという点も重要だ。一般的に、炭酸飲料に求める体験は「リフレッシュメント」。つまり"スカっとしたい"という気持ちだが、この志向は年齢を追うごとに減少するという。代わって増えてくるニーズが、「リラックス」だ。つまり、40代は生活の様々なシーンで「リフレッシュメント」を求めることも、「リラックス」を求めることもある。「シュウェップス」は、このような彼らの多様なニーズに応えるブランドを目指しているのだ。「性別、時間、場所、あらゆるものを問わず、彼らのニーズに応えるブランドを目指していきたい」と富重氏は語る。
最後に、富重氏に「シュウェップス」の今後のブランド展開に対する抱負を伺った。
「他の製品にはない本格的な味わいで、歴史と伝統のある『シュウェップス』の名に恥じない製品を提供していきたい。世の中に美味しい飲み物は沢山ある。しかし、その中で多くの消費者に選ばれるブランドを目指して、炭酸飲料が好きな大人たちの期待を超えるような驚きや体験を、これからも提供していく」。
関連キーワード:
SNS
New Topics
Special Ad
| ウマいもの情報てんこ盛り「えん食べ」 | |
![]() |
「えん食べ」は、エンジョイして食べる、エンターテイメントとして食べものを楽しむための、ニュース、コラム、レシピ、動画などを提供します。 てんこ盛りをエンジョイするのは こちらから |
Hot Topics
IT Job
今週のIT求人情報
Interviews / Specials
Follow japan.internet.com
ネット選挙
Popular
Access Ranking
Partner Sites

















